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関西圏の転入超過拡大の一方で首都圏の転入超過数は減少 その背景は?

人口、より具体的に言えば世帯数の増減は、当然ながら住宅需要が増加し、逆に減少すれば需要も減少します。それに伴い、価格や賃料に変化が見られます。 人口にフォーカスすると、その増減の要因は自然増減(出生数と死亡者数の差)と他地域からの移動による社会増減の2つとなります。
自然増減を見ると、全国的に減少が続いています。2025年の出生数は約66万人で、2020年は約85万人でしたので、5年間で20万人近い大幅減少が続いています。その一方で2025年の死亡者数は約160万人で、人口の自然減少数は95万人を超えています。 一方、社会増減はプラスの地域もあれば、マイナスとなっている地域もあります。そのため、現在の日本における都道府県別の人口増の可能性は、人口移動に伴う社会増に依るものとなります。
今回は圏域別・都道府県別の社会増減の状況を鑑みながら住宅需要について考えてみます。
転入超過は7都府県のみ
総務省から2026年2月3日に公表された「住民基本台帳に基づく人口移動報告 2025年(令和7年)」によると、首都圏や関西圏、福岡県への人口流入が続いています。
都道府県別に転入・転出の状況を見ると、転入超過(転入者から転出者を引いた数がプラスになっている)が確認できるのは、多い順に東京都・神奈川県・埼玉県・大阪府・千葉県・福岡県・滋賀県の7つの都府県だけでした。
最も多い東京都への転入超過数は65,219人で、神奈川県28,052人、埼玉県22,427人、大阪府15,667人、千葉県7,836人、福岡県5,136人、滋賀県353人となっています。他の40の道府県では転出超過となり、転出超過数が最も多かったのは広島県の9,921人(2024年は10,711人)でした。
広島県は転出超過数1位が続いています。中国地方最大の都市であることに変わりはありませんが、近年は東京圏への流出、そして比較的近い福岡県や関西圏への流出が増えており、苦戦が続いています。
転入超過数の増減
転入超過の都府県は7つですが、そのうち転入超過数が増えているのは、埼玉県・神奈川県・福岡県の3県のみです。2024年のデータでは、東京都・千葉県・大阪府も転入超過数が拡大していました。
先に述べたように、埼玉県や神奈川県が増えているのは、東京都区部の住宅価格、あるいは住宅賃料が上昇していることが要因だと思われます。
一方、福岡県については九州各地や山口県からの人口流入が続いていることが要因と思われます。
3大都市圏でみれば、名古屋圏は転出超過が続く
3大都市圏全体では119,581人の転入超過が見られますが、東京圏や大阪圏は転入超過を維持している一方で、名古屋圏は転出超過が続いています。名古屋圏は、過去7年にわたり1万人以上の転出超過数となっています。
人口だけでなく、名古屋圏では地価も上昇していますが、上昇幅は縮小傾向にあり、三大都市圏の中ではやや脱落感が見えてきました。
首都圏の状況
首都圏(=一都三県:総務省の本資料では東京圏と表記)への転入超過は続いており、2015年以降、コロナ禍だった2020年と2021年を除いて10万人を超える転入超過数となっています。ただ、東京都の転入超過は長く続いていますが、2024年と2025年を比べれば、転入超過数は2024年に比べて14,066人減少しています。
東京都の転入超過数の減少はコロナ禍期以来の4年ぶりです。
その一方で神奈川県は1,089人増加となっており、首都圏の人口吸引力は依然強いようですが、特に東京の転入超過数減少の背景には、住宅価格が高騰していることが大きな理由と考えられます。
この高騰により、多くの人々が東京都を離れ、より手頃な住宅がある周辺地域に移住する傾向が見られます。
関西圏の状況
関西圏(=大阪府・兵庫県・京都府・奈良県:総務省の本資料では大阪圏と表記)は、近年転出超過が続いていましたが、2024年以降は転入超過となっています。
関西万博は終わりましたが、引き続きインバウンド観光客も多く、このあとはIR施設の開業も控えており、関西主要都市は勢いを感じられます。地価上昇や不動産価格の上昇、また上昇幅の拡大も続いています。
大阪圏では、企業の本社移転やビジネスの軸足を首都圏に移す企業が増える傾向がありましたが、それも一服してきており、関西経済が活況であることから復活の兆しが鮮明となってきました。
どの年代が都道府県間の移動をするのか
5歳区切りで都道府県間の移動をする人口数を見ると、最も多いのは20~24歳で、約585,000人、続いて25~29歳で約533,000人、そして30~34歳で約314,000人となっています。
人数は多少変化するものの、この傾向は近年ほとんど変化がありません。
こうした移動の背景には、主に20代は就職、30代前半は結婚等での移動が多いものと思われます。
特に20代前半の移動のほとんどは就職に関するものと思われ、たいていの場合は賃貸住宅に住むことになります。20~24歳の都道府県間移動の数を見ると、2025年は2024年比で0.3%増えています。
また、20代後半から30代前半で多いと思われる、結婚等に伴う移動も増えていますが、これは近年、大都市中心部の住宅価格が上昇していることから、周辺地域(例えば東京から神奈川)への移動が増えていることが要因と思われます。
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