TSUGITE 第19号 2021.11月発行

第19号の特集は「次世代を見据えた収益増&節税対策 安心と安定を築く。 未来をひらく資産承継。」です。「新築」を通して有益な資産承継を実現しようとされているオーナー様の声や事例をご紹介いたします。
※TSUGITEは松建設で建築いただいたオーナー様向けの情報誌です。WEBでは誌面の一部を公開しています。

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次世代を見据えた収益増&節税対策 安心と安定を築く。未来をひらく資産承継。

次世代を見据えた収益増&節税対策 安心と安定を築く。 未来をひらく資産承継。

多くのオーナー様が、いずれ迎える世代交代。資産をどう引き継ぐのか、その後どう生かしていくのか。
建物や土地、それら所有資産の承継は、世代間の事業への想いが重なってこそ上手くいくものだと、松建設グループは考えます。

私たちは、これまで数多くの建築のお手伝いをしてきました。事業収益性の向上や節税対策など、建築を検討されるオーナー様の背景や課題は様々ですが、そこには、オーナー様ご自身はもちろん、将来を担う次世代、さらにその先の世代にとっても有益な資産のカタチとは何か≠模索される姿がありました。

「代々の資産を、減らすことなく次世代へ引き継ぎたい」
「足枷となる資産は残さずに、優良な資産に組み換えていきたい」
「経営戦略に基づいて、保有資産を最大限生かして未来へつなげたい」

そのような想いを叶える、様々な選択肢がある中で、今回の特集では、「新築」を通して有益な資産承継を実現しようとされているオーナー様の声や事例をご紹介いたします。

これらオーナー様が見つめる視点の先は、10年、20年、さらにその先を見越した、新築だからこそのメリットと、建てた後も健全に事業を守り、維持していく確かな展望がありました。

すでに建物オーナーである皆様、そしてこの先オーナーになる方の「これから」に、松建設グループは寄り添ってまいります。

次世代のために、数ある選択肢から何を選ぶか。次世代のために、数ある選択肢から何を選ぶか。

想いをカタチにする。新築は次世代への投資でもある。

実際に、資産承継を見据え、「新築」という決断をされたオーナー様が、その選択に至るまでに、どのような検討を重ねられたのか、経緯を探りました。
まず、どのような背景があったのか。検討のきっかけとして「賃貸マンションの老朽化による空室増加・収益性の低下」、「オフィスビルの耐震性強化の必要性」など建物状況の見直しや「相続税対策の効果的なタイミングの見定め」といった課題がありました。
ご所有の資産を守り、つなぐ≠ニいう点において、「先祖から受け継いだ土地や資産を、孫の代まで減らすことなく残したい」「将来後継者が苦労しないように、事業性を高めた上で上手く引き継ぎたい」といった想いのもと、「土地・建物の有効活用」「事業収益性の向上」「計画性のある相続税対策」など、これからの安定的な資産管理を念頭に自分たちにとってより良いカタチを見いだしたかった≠ニいうお声が多く寄せられました。
まさに次世代への承継、さらにはその先を見据えた、既存の課題解決の糸口を探る取り組みです。こうした背景のもと、新築の決断に至るまでの選択肢として、主にはリノベーションによる建物再生、売却等の資産の組み換えが検討にあがったといいます。
結果として、なぜ新築を選ばれたのか。もちろんそれぞれの建物の状態にもよりますが、事業の将来性や収支のシミュレーションをはじめ、リノベーション時のコストとその改善効果、売却時の諸費用や税金の試算など、長期的な視点での慎重な検討の末に見えてくる、未来への投資として捉えた「新築の価値」にありました。事業を長い目で見た際の収益性や資産性、リスクへの配慮など総合的な見極めが重要だと考えます。

新築を選択したオーナー様が感じられたメリット

実際に建てられたオーナー様の具体的な声をご紹介。そこにはオーナー様の、「資産を守り健全な状態で次世代へつないでいきたい」という想いをうかがい知ることができます。

  • 長期修繕計画が作成しやすく収支計画が立てやすい
  • 長期的に高い節税効果が期待できる上、相続に対しても有効な準備ができる
  • 時代の変化や地域のニーズに合わせてプランやデザインをゼロから検討できる
  • 将来的に賃貸のみならず売却も含めて複数の選択肢を確保できる
  • 耐用年数が長いため、長期的な安定収入の確保が期待できる
  • 建物の性能や耐震性が最新水準となり資産としての安心感がある

CASE1【個人】 資産承継準備

お悩み・背景

後継者に苦労をかけたくない
複数の不動産をご所有のオーナー様。ご家族への事業承継について、将来後継者が経営に苦労しないことを第一に考え、様々な思案をされていました。

ご提案

土地購入による収益増計画
承継対策として新たに購入された土地に対し、土地のポテンシャルを最大限に引き出し、長期的に収益の見込める新築プランをご提案。

解決策・メリット

安定収入の確保による承継準備
容積率を十分に消化しつつ、地域ニーズに沿ったテナント付賃貸マンションを建築。相続税評価額の圧縮とともに新たな安定収入を確保しました。

CASE2【個人】 老朽化

お悩み・背景

改修か建て替えか
都内一等地に所有する賃貸マンションの老朽化が進み、将来の相続も踏まえて、工期や予算的な観点からもどう判断すればよいかお困りでした。

ご提案

様々な検証により新築を推奨
耐震診断を実施したところ、現状では耐震性が足りず、耐震補強工事後には賃貸部分への支障が想定されたため、事業性を鑑みて、建て替えをご提案。

解決策・メリット

再び一等地の価値を最大化
老朽化に伴うメンテナンスから解放され、建て替え前に下落していた賃料もエリアの新築賃料相場で再設定。立地の優位性を生かした運用を実現しました。

CASE3【法人】 収益低迷

お悩み・背景

自社所有地の有効活用
老朽化が進んだ築50年以上の社宅。本業を長期安定的に支える副収入を確保する必要があるとのお考えのもと、今後の活用を検討されていました。

ご提案

長期安定収入を実現するプラン
学生寮や社宅の再整備プランもありましたが、ご要望であった長期安定収入の実現を最重要視し、賃貸マンションと店舗の複合物件をご提案。

解決策・メリット

収入増で本業の安定経営に寄与
賃貸マンションは市場変動に強く、長期安定収入の確保に優位。駅近という好立地も生かしオーナー様の目的に沿った運用を実現しました。

短期保有か 長期保有か ふたつの不動産投資。

不動産投資とは、一般的には銀行融資を活用して賃貸物件を取得し、賃料収入と売却益を期待する資産運用です。しかしその目的は、時間軸の捉え方で大きく異なります。自分の人生で完結する「短期保有」は資産を増やす行為。一方で、複数世代にまたがる「長期保有」は資産を守る行為だといえます。新築という資産運用から見えてきたのは、「賃貸住宅」と「長期保有」の組み合わせが景気の影響を受けづらく安定性に優れること。それは、無理をせず、丁寧かつ着実に次世代へ資産を承継することでもあります。


建てる、そして承継していく。押さえておきたいポイントと流れ。

お悩み・背景
状況の確認と整理
資産状況とともに、ご家族や会社の状況を含め、現状の課題やオーナー様の想いを整理。今後の検討にあたり資産全体の棚卸しも必要です。

資産状況(建物の状態)● 建物の老朽化
● 建物耐震性の不足
● 遊休資産の未活用

ご家族(会社)の状況● 相続税対策の必要性
● 次世代への承継準備
● 事業収益性の低下

CASE4【個人】

経営している月極駐車場の空きが目立つとともに、以前相続税対策で建築した賃貸マンションの対策効果が、借り入れの減少に伴い薄れていました。

CASE5【法人】

築59年の老朽化した賃貸マンション。居住性の低下から空室も目立ち、今後の対応策についてお悩みでした。

目的
目的の優先順位を設定
オーナー様の第一の目的やどこに重点をおくか明確にすることが重要。土地へのこだわりなど後継者の考えも聞いておくとスムーズです。

● 節税対策(相続税、所得税、固定資産税)
● 事業収益性の向上
● 建物の安全性・快適性の向上
● 長期安定収入
● 資産形成

CASE4【個人】

新たな相続税対策として、月極駐車場を長期安定的な収益が見込める土地活用へ転用したいとご希望でした。

CASE5【法人】

建物の安全性や快適性の向上とともに、慢性的な低収益の状態を改善したいとお望みでした。

手段
選択肢を様々な角度から検討
課題解決に際し、どんな選択肢があるのか。またそのメリット・デメリットを整理した上で、オーナー様の方針を決定。

● 新築(建て替え)
● 資産の組み換え(土地・建物の売買)
● 建物の再生(リノベーション・用途変更等)

CASE4【個人】

相続税対策と収益増を念頭に、賃貸マンションの新築を選択。以前当社が施工した物件で安定経営を続けられている実績からのご判断でした。

CASE5【法人】

売却も検討されましたが、収益性の向上と長期安定収入の確保が見込めるとの理由から、建て替えを選択。

決め手・建築
見込める効果を把握
目的と方針に合った効果的な手段を選択したら、建築にあたって希望の条件や実現したいことなどを整理しましょう。

● 節税効果(相続税、所得税、固定資産税)
● 事業収益性の向上
● 建物性能の向上(耐震性・設備・快適性)
● 長期安定収入の確保
● 資産運用のリスク分散(第二の収入源の確保等)

CASE4【個人】

周辺物件との差別化というご希望に沿ってマーケットリサーチを行い、長期的に競争力を維持できるプランをご提案。

CASE5【法人】

競合物件との差別化を図るため、周辺にはないSOHO(住居兼事務所)タイプのプランをご提案。

資産価値の維持〜次世代への施策
資産価値の維持
大切な資産を守り、建物の競争力を維持するには、長期修繕計画に沿った費用の積み立てや適切な対応が大切。資産価値の維持は将来の資産承継にも重要です。

● 経済の流れに沿った事業計画の見直し
● 修繕サイクルを把握し計画的に実施
● 時代のニーズやトレンドに適応したリノベーションの実施
● 入居率維持に必要な管理サービスの改善や空室対策の強化

CASE4【個人】

節税対策の一環として資産管理会社を活用。スムーズな承継に向け、ご子息との情報共有も進められています。

CASE5【法人】

資産価値維持の施策として、税務面と連動した計画的な修繕工事を予定されています。

さらに円滑な資産承継に向けて

長いスパンで見据え、早めに準備することが大切です。
後継者ともしっかりコミュニケーションをとりましょう。

● 資産管理会社の設立(所得の分散効果・生前贈与効果など)
● 相続発生前の建物改修(相続税評価額の圧縮効果)
● 空室対策(賃貸割合の維持による相続税評価額の圧縮効果)
● 法人における不動産事業の分社化


建物のある風景

時代を超えて人々に愛されつづける建物たち。
そんな建物のある風景を訪ねに、ちょっとでかけてみませんか。

東京国際フォーラム

竣工 : 1996年(平成8年)住所 : 東京都千代田区丸の内3丁目5番1号店鋪等 : カフェ・レストラン10店舗/ショップ3店舗/サービス1店舗/美術館1店舗お問い合わせ : 株式会社東京国際フォーラム TEL:03-5221-9000(代表)

夜の訪れにひときわ映える都市の中庭
夕暮れ時、東京駅から向かうと、総ガラス張りの船型ガラス棟が、緩やかな円弧を描きながら光を放つ。ガラス棟と4つのホール棟の間にある地上広場は、石の彫刻・ベンチ・ケヤキ等がストリートファーニチャーとして幾何学的に配置され、東京駅と有楽町駅をつなぐ都市の中庭となっている。

東京を代表するランドマークの一つであり、建築物としても高く評価される東京国際フォーラム。1989年、旧都庁の移転跡地において日本初の国際公開設計コンペ最優秀作品として選定された建物です。設計者はアメリカ在住建築家ラファエル・ヴィニオリ氏。JR曲線に沿った変形四角形敷地に対して空間構成が明快、合理的であり、難しい条件や複合用途に対しバランスが良く機能的な完成度の高い作品でした。
施設は、大小8つのホール、34の会議室、ガラス棟、緑が清々しい地上広場、レストラン、美術館などから構成されています。各ホールとガラス棟の間にある、中庭をイメージした地上広場は、都市の魅力的なパブリック空間としても機能しており、年間約2千3百万人が行き交う総合的な文化情報発信拠点として存在感を放ち続けています。
東京駅側からエントランス空間に入ると、鮮やかな曲線を描くガラス棟に目を奪われます。陽光が降りそそぐ高さ約60mの吹き抜け空間にブリッジや回廊が空中を渡るガラスのアトリウムは壮観。要となる2本の柱が大屋根を力強く支え、船底のようなダイナミックな構造により、美しく迫力ある天空のデザインを創り出しています。また、シンボリックなガラス棟や様々なスペースに展示された彫刻をはじめ、ユニークな建築スポットやアートコレクションといった見どころが多く、東京駅から丸の内・有楽町への散策ルートとしても魅力的です。
地上広場を出て、有楽町駅側に佇み丸の内側を見ると、JR曲線に沿ったガラス棟東側に連なるガラスカーテンウォール・花崗岩・アルミの連続壁も非常に印象的。この曲線連続壁で鉄道の喧騒をブロック、ホール棟への振動・騒音の影響を排除し、地上広場に静けさを与える構成となっていることが理解できます。
世界に認められた美しい設計で、首都の玄関口を彩ってきた東京国際フォーラム。それは建物の域を超えて国内外の人々を魅了する、光あふれ輝く芸術作品ともいえるのではないでしょうか。

美しい配置と機能的な計画
複雑多様な条件に呼応する機能的な計画。静かさが必要な施設に対し、外に閉じて内に開く空間構成となっている。JR線側のスカイラインも象徴的。
ガラス棟(メインロビー)
光あふれる高さ約60mの吹き抜けを見ると、空中で交差するブリッジ、ガラス棟を一周するスロープや船底のような天井が空間をダイナミックに構成している。
地上広場(中庭)
季節を感じる気配と水平・垂直に漂う都市的な雰囲気が融合した広場は各ホールロビーと一体化され、人が憩うオープンスペースとなっている。
ホール
コンサート、ファッションショー、国際会議など、幅広いジャンルのイベントが開催され、多様性に満ちた文化と情報を発信している。

設計者のヴィニオリ氏、構造設計者の渡辺邦夫氏とは面識があり、当時直接教えていただいた景観作法「目線レベルでの様々な距離・角度からの見え方」「建築の接地性と周縁環境との関係の大切さ」「公共空間重視のコンセプトとデザイン・構造表現との整合性」などのお話が、私の中に印象深く残っています。

東京本店設計本部 一級建築士 伊森 多加男

オーナー様を陰から支える建設のプロフェッショナルたち 想いを築く仕事人 Vol.7

空間に新たな価値を吹き込む、オーナー様ファーストのリノベーション。

松テクノサービス 東京 リノベーション部・営業
大桃 健児(右)
松テクノサービス 東京 リノベーション部・工事
柳沢 加奈江(左)
松建設グループにおいて戸建住宅事業を手がける株式会社タツミプランニングのリフォーム部門が、独自の強みをそのままに移籍して誕生したリノベーション部。既存部門との連携を図り、オーナー様のご要望にさらに幅広くお応えし、建物の資産価値を向上させていく。

丁寧なヒアリングでオーダーメイドの提案を追求していく。

マンションの大規模修繕やメンテナンスだけでなく、室内のリノベーションも手がける松テクノサービス東京。2021年1月、内装の改修工事を専門に手がけるリノベーション部が発足した。横浜支店にショールームを構え、神奈川県および東京都内の個人住宅や賃貸マンションを中心に相談を受け、ヒアリングからプランの提案、設計、工事、アフターサービスまで一貫して行う。コストに配慮しながらも、他社には真似できないプランニング力とデザイン力を軸に、高品質で快適な居住空間を提供できることが強みである。
リノベーション部には、基本プランやパッケージ化されたサービスは存在しない。なぜなら、オーナー様のご意向に合わせてオーダーメイドのプランを提案しているからだ。「リノベーションは、そこに暮らす人が豊かな時間を過ごせる空間をつくること。オーナー様のご希望やご期待に応えるためには、一人ひとりに適したプランの提案が必要だと考えています」と、プランから設計まで手がける営業担当の大桃は話す。そのためヒアリングは時間をかけて丁寧に行い、使う商材などにも一切の制約を設けない。オーナー様にとってのベストを見いだし、ご期待を超えるようなオーナー様ファーストのプランを構築する。「こうした提案を通して、信頼関係を築くことが営業の役目です」と大桃は言う。
工事担当の柳沢も、大桃と同様にオーナー様に寄り添うことを第一に考えている。リノベーションは新築と違い、オーナー様がその家で生活しながら工事を進めることもあるため、オーナー様に制約のある暮らしをお願いするケースも少なくない。柳沢は「少しでもストレスなく生活いただけるように、工事期間や内容などを丁寧に伝えるコミュニケーションが大切だと感じています」と、工事の進行管理と同時に、オーナー様の暮らしへの配慮を欠かさない。
時の流れ、時代の変化に伴い、建物の価値や居住空間に求められるものは変化する。松テクノサービスのリノベーションは、オーナー様と共に新たな価値を吹き込んでいく共同作業であるといえる。そのためにも、リノベーションに特化した精鋭集団としてさらなる成長は続く。

顧客目線のリノベーションで居住空間をより快適にする。
ライフスタイルの多様化、ニューノーマルな暮らしが進む中で、入居者様のことを考え抜いた多岐にわたるリノベーションを実施。培った技術、徹底した顧客目線から生まれる自由度の高いデザイン、設計や工法、価格やサービスに至るまで心から満足いただける提案をオーナー様へお約束する。

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※新型コロナウイルス感染予防対策に配慮した上で、取材・撮影を行っています。


掲載内容は2021.11月発行時点のものです。
時間経過による掲載内容の変化は保証できませんのであらかじめご了承ください。
内容についてお確かめの場合は、【0120-53-8101】へお問い合わせください。

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