- 髙松建設不動産市況レポート
2025年12月 髙松建設不動産市況レポート
2026年度税制改正大綱から見る、今後の住宅市場の展望
2025年12月19日、2026年度税制改正大綱が公表されました。
「住宅ローン減税」関連での最大の焦点は、都市部を中心に高騰が続く住宅価格に対し、減税措置がどこまで取得を後押しできるのかという点でした。
「どの住宅でも税制メリットが得られる」時代は終焉に向かう?
今回公表された大綱での新たな住宅ローン減税は、以前のようにすべての住宅を対象とするものではなく、国が推奨する住宅に重きをおいた制度となりそうです。
具体的に変更点について見ていきましょう。
新築住宅については床面積要件が50㎡から40㎡に緩和され、長期優良住宅やZEH水準住宅など高性能住宅への優遇は維持された一方で、省エネ基準適合住宅は借入限度額が引き下げられ、2028年4月以降は控除対象外となります。加えて災害リスクの高いレッドゾーン地域での新築も減税対象外とされました。
住宅ローン減税に環境政策や防災政策の視点が組み込まれたと言えるでしょう。
中古住宅は住宅ローン控除が拡充
一方で中古住宅は大幅に扱いが変わりました。
床面積要件は新築同様40㎡以上に緩和され、控除期間もこれまで10年だったものが新築と同じ13年に延長されました。
また性能の高い中古住宅の借入限度額も引き上げられています。
借入限度額の変更

※子育て世帯:19歳未満の扶養親族を有する世帯
※若者夫婦世帯:夫婦いずれかが40歳未満である世帯
この表を見ると、新築住宅では省エネ基準適合住宅で限度額が厳しくなった一方で、中古住宅では性能の高い住宅で拡充されているのがわかります。
新築価格が家計の手に届きにくくなった中で、中古住宅を“現実的な受け皿”として位置づけた政策判断が見えてきました。
ただ「制度を整えても、そもそも住宅が買いにくくなっている」という現実があります。
先日、株式会社東京カンテイより発表された「マンション価格の年収倍率」では、ますます「買いにくい」状況が見えてきました。
新築・中古マンション購入時の平均年収倍率の推移(全国)

(株式会社東京カンテイ「Kantei eye」より作成)
誰もが同じように住宅ローン控除を受けられる時代から、住居や世帯によって減税額が異なる時代になりました。
つまり、住宅ローン減税は「誰でも買えるようにするための制度」から、どの住宅をどの世帯が選ぶのかを分ける制度へと明確に転換しました。
年収倍率の上昇が示すように、マンション価格(住宅価格)そのものが下がらない中で、税制は取得のハードルを均等に下げる役割を果たしているとは言えないのかもしれません。
定点観測データ
Ⅰ 首都圏中古マンション流通レポート

Ⅱ 近畿圏中古マンション流通レポート

Ⅲ 中部圏中古マンション流通レポート

Ⅳ 福岡県中古マンション流通レポート

Ⅴ 貸家着工戸数状況(東日本)
出典: 国土交通省

Ⅵ 貸家着工戸数状況(西日本)
出典: 国土交通省

Ⅶ 金利の推移

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