- 髙松建設不動産市況レポート
2026年2月 髙松建設不動産市況レポート
東京圏・大阪圏の人口移動から読む『ファミリー層が住み替えるエリア』
総務省から1月末に「住民基本台帳人口移動報告 2025年結果」が発表されました。
これによると、全国47都道府県のうち40道府県が転出超過となっており、居住地の選択が一部の都市圏に集中している状況がうかがえます。
不動産市況、特に住宅系不動産の動向を見通す上で重要なのは「人口増減」だけではなく「誰が動いているか」という視点です。
今回はファミリー層の移動に注目してみましょう。
ファミリー層の動きは、直接的には把握できない?今回は東京圏・大阪圏の人口移動から読む『ファミリー層が住み替えるエリア』について解説します。
「住民基本台帳人口移動報告」には『ファミリー世帯』という区分はありません。
知ることができるのは年齢階層別の転入・転出数であるため、このデータだけで子育て世帯の動きを断定することはできません。
しかし、30~44歳と0~9歳の年齢層の転入超過が同時に見られる地域では、子育て世帯の流入が推測できます。
この2つの年齢層に注目して、ファミリー層の移動について見ていきたいと思います。
東京圏では“都心から郊外への住み替え”が進行している
年齢別 転入超過数(2025年)

上の表は、都道府県ごとに0〜9歳と30〜44歳の年齢層を比較したものです。
青色で示されたエリアは、両年齢層ともに転入超過となっており、ファミリー層の流入が推測されるエリアです。
まず東京圏を見てみましょう。
2025年の東京圏は30~44歳の年齢層で6,915人の転入超過となった一方、0~9歳は2,603人の転出超過となりました。
東京都の総数は65,219人の転入超過となっていますが、30~44歳と0~9歳の年齢層はいずれも転出超過となっています。
一方、埼玉県・千葉県では両世代とも大きな転入超過が見られます。
ここには掲載していませんが、特に0~4歳では東京都が2,483人の減少と子ども層の転出超過の大部分を占めています。
これに対し千葉県は1,106人の増加、埼玉県は687人の増加となりました。
これらの動向からは、結婚や出産・子育てを機に都心から周辺県へ住み替える傾向がうかがえます。
東京圏は依然として人口を集めていますが、その内部では単身者層の都心集中と、子育て世帯の郊外志向という動きが進んでいる可能性があります。これは昨今の住宅価格の上昇が影響しているものと思われます。
次に大阪圏を見てみましょう。
大阪圏は30~44歳で581人の転入超過、0~9歳で599人の転入超過と、両世代とも小幅ながら増加となりました。
しかし、大阪府では0~9歳が1,228人と減少し、兵庫県の1,283人の増加や奈良県の832人の増加などが、その受け皿となっていることが考えられます。
東京圏ほど急激ではありませんが、大阪圏でも東京圏同様の構造が見えると言えるでしょう。
数だけではなく“構造”を把握する
同じ転入超過であっても、その内訳は大きく異なります。
『住民基本台帳人口移動報告』は、人口の「数」ではなく「中身」を読み解くための資料として活用したいものです。
エリア選定の際には圏全体の増減だけでなく、年齢階層別の動きにも目を向けることが、住戸タイプごとの需要を見極める重要な手がかりとなるでしょう。
定点観測データ
Ⅰ 首都圏中古マンション流通レポート

Ⅱ 近畿圏中古マンション流通レポート

Ⅲ 中部圏中古マンション流通レポート

Ⅳ 福岡県中古マンション流通レポート

Ⅴ 貸家着工戸数状況(東日本)
出典: 国土交通省

Ⅵ 貸家着工戸数状況(西日本)
出典: 国土交通省

Ⅶ 金利の推移

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