- 髙松建設不動産市況レポート
2025年5月 髙松建設不動産市況レポート
供給は減少も根強い需要。変化する「首都圏コンパクトタイプマンション市場」
株式会社不動産経済研究所より、2025年4月10日に「首都圏・近畿圏コンパクトマンション供給動向」(2024年分)が発表されました。
コンパクトマンションとは専有面積30㎡以上50㎡未満の部屋で、かつてはDINKSタイプといわれた、ワンルームとファミリータイプの中間に位置するマンションタイプのことです。
主に単身者や子どもがいない共働き世帯(DINKS)、シニア世帯などをターゲットとしており、近年の多様化するライフスタイルを反映した住まいとして再び注目されています。
首都圏における供給動向と背景
首都圏コンパクトマンション供給戸数とシェア

(株式会社不動産経済研究所「首都圏・近畿圏コンパクトマンション供給動向」より作成)
2024年度における首都圏のコンパクトマンション供給戸数は2,642戸となりました。これは前年に比べて供給戸数・シェアともに減少です。
全体の分譲戸数23,003戸に占める割合は11.5%と前年度から後退したものの、シェアが1割を超えるのは5年連続となっており、依然として高い需要があることがうかがえます。
供給が増加した背景には、2021年度から住宅ローン控除の対象面積が「内法面積40㎡以上」に緩和されたことも一因とされています。
この制度変更により、40㎡以上50㎡未満のコンパクトマンションの供給が後押しされました。
また、都市部では単身世帯やDINKSの増加により、「利便性の高いエリアで、必要最低限の空間で快適に暮らしたい」というニーズが高まっています。
コロナ禍を経て一時的に在宅勤務が進んだものの、現在ではオフィス回帰の傾向も強まっており、「職住近接」の価値が再評価されています。限られた通勤時間で、時間的余裕と快適な住環境を両立させたいと考える層の需要に、コンパクトマンションはマッチしているようです。
首都圏コンパクトマンション平均価格と平均専有面積

コンパクトマンションの専有面積は、前述のローン控除緩和の影響もあり、徐々に上昇傾向にあります。
一方、価格は依然として高水準が続いており、2024年の一戸あたりの平均価格は5,248万円。前年(2023年)の5,111万円から137万円(+2.7%)の上昇となり、2年連続で5,000万円を超えています。
この価格上昇の背景には、地価の高騰や建築資材費の上昇があり、特に都心部ではその傾向が顕著です。
広い住戸を開発しようとすると価格が跳ね上がってしまうため、デベロッパーや土地活用をサポートする建築会社にとっても、比較的面積を抑えながらも収益性を確保できるコンパクトマンションは有力な商品です。
また、都心には「狭くても都心に住みたい」層が多く存在します。通勤利便性を重視する単身者・共働き世帯、高齢期の生活利便性を求めるシニア層、そして高い賃貸需要を見込んだ投資家など、幅広いニーズに対応する住宅として、コンパクトマンションの需要はますます高まっていくことでしょう。
定点観測データ
Ⅰ 首都圏中古マンション流通レポート

Ⅱ 近畿圏中古マンション流通レポート

Ⅲ 中部圏中古マンション流通レポート

Ⅳ 福岡県中古マンション流通レポート

Ⅴ 貸家着工戸数状況(東日本)
出典: 国土交通省

Ⅵ 貸家着工戸数状況(西日本)
出典: 国土交通省

Ⅶ 金利の推移

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