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倉庫・物流・工場の可能性

2018/03/12

省エネ工場を目指すうえで検討したい3つの施策

製造業や加工業などを筆頭に事業を営むには、工場内で大量の電力消費を必要とします。そのため、工場における省エネは設計の当初から計画すべきであり、ランニングコストをいかに減らせるかが事業全体の財務状況にも大きな影響を与えます。もちろん、工場の電力消費は今すぐできるものもあれば、中長期的に対策に取り組まなければならないものまでさまざまです。そのため、今回は省エネという大目標をクリアするためのそれぞれの長中短の3つの期間で取り組める対策を紹介します。

ランニングコスト削減を目指す省エネ設計を

物を生産したり、加工したりする工場において事業を営むうえで避けて通ることはできないのが、大量の電力消費です。工場でのエネルギー使用における約7割が電力であると言われており、電力使用量を最小限に抑えられる“省エネ設計”がなされているか否かで運用における電力消費に少なくない影響を与えます。つまり長期的なスパンで省エネ設計を実装した工場に建て替えできれば、日々の事業にかかる電気代が節約でき、ランニングコストの削減にもつながるでしょう。

また、工場では繁忙期と閑散期にあわせた生産計画などの影響で、エネルギー使用状況における季節的変動、日負荷変動があります。そのため、新工場建築において省エネ設計を検討する場合は、現状の使用状況の数値を正確に把握しておくようにしましょう。現状の生産体制において季節ごと、そして日ごとの使用量を確認することで、省エネ設計を導入する際にランニングコストの削減の目安や目標値が見えてくるはずです。

近年では「エコポイント」や「エコカー減税」など、各メーカーが何かとエコや省エネに結びつけた製品の開発に力を注ぎ始めました。身の回りにある製品においても省エネ設計を行っているか否かで消費者から選ばれる製品になるかが変わってきているなど、世間のエコに対する意識は高まってきています。それだけに生産を担う工場においても、省エネ設計の導入が現在ではスタンダードになりつつあります。時代の大きなトレンドに乗っかる意味でも、長期的に見て省エネ設計を念頭に置いておきましょう。


活用すべき電力小売自由化の制度

省エネ設計をすることで消費電力を少なく抑えられる工場を建築することも重要ですが、既存の制度をうまく活用することによっても中期的に工場の省エネは実現できます。その最たる制度が「電力小売自由化」です。2016年、一般家庭向けに電力小売自由化が開放されたことをきっかけに、従来の電力会社以外から電力を買うことができるようになったことは、多くの方にとって記憶に新しいところです。

しかし、実は事業レベルにおいては以前から電力会社の選択の自由があったことをご存知でしょうか。
最初の小売自由化は、実は2000年3月に開始しています。その際は「特別高圧」区分の大規模工場やデパート、オフィスビルが対象であり、新規参入を果たした電力会社からも電気を購入できることになりました。そして、2004年4月・ 2005年4月には小売自由化の対象が「高圧」区分の中小規模工場や中小ビルへと拡大。事業における電力会社の選択の幅は大きく広がりました。

既存の電力会社における電力使用量を把握することは最初に行うべきですが、想像以上に電力の使用量が高いなどの不満があれば、他の電力会社に問い合わせてみるのも1つの手段だと言えるでしょう。一般家庭においても適用されたことで注目を浴びるようになった電力小売自由化ですが、これを機に事業者レベルでも見直しを図ってみるといいでしょう。


今すぐにできる空調と照明の電力消費削減

自社に見合った電力会社を選定するなど既存のやり方を変えることでも省エネに結びつけることができますが、短期的に既存の電力の効率使用を見直すことで節電できる要素が見つかる可能性があります。既存の電力消費量の削減において真っ先に目をつけるべきポイントは「空調」と「照明」です。製造業において中核を担う生産設備において短期的に省エネを実現することは難しいかもしれませんが、一般設備である空調と照明はすぐに対策に講じることもできます。

平成27年5月に経済産業省が発表した「節電アクション」によると、電力消費のうち、生産設備が占める割合が83%であり、空調・照明などの一般設備の占める割合は17%に留まります。全体の17%を節電しても大きな変化はないと考える方もいるかもしれませんが、工場の稼働を落とさずに現状を維持したままできる対策としては空調・照明の効率使用がもっとも手っ取り早い策です。まずはスタッフの心がけレベルからスタートし、長期的な省エネ設計と絡めた節電方法を考えていきましょう。

工場において省エネ化するためには、長中短の3つの期間で考えるとさまざまな施策が検討できます。ただ、抜本的な省エネ改革を行うのであれば、工場の設計段階から電力効率を見直すことが重要です。現状で会社の財務を圧迫しているかもしれない電力消費に関しては、一度入念に調べてみるようにしましょう。現状を把握することで今後の具体的な施策におけるヒントが見つかるはずです。


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