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オフィス建築戦略

2018/01/29

企業不動産の見直し・有効活用のためのCRE戦略

近年、ビジネスシーンを賑わしている言葉がCRE(企業不動産)戦略です。これは企業が現在抱えている不動産を最大限に活用することで、企業価値を高めることを意味しています。実は企業が保有する倉庫や工場といった不動産の中には、有効に活用されていないために本来の価値を発揮できていない不動産が多々あります。今回は収益を創出するための企業不動産の最適な活用法について着目しました。

そもそもCRE(企業不動産)戦略とは

それなりの規模を有する企業であれば、自社ビルや工場、倉庫などの不動産を所有しているケースも珍しくありません。そうした企業が保有あるいは賃貸している不動産のすべてをCRE(Corporate Real Estate/企業不動産)と言います。不動産業を営む企業でなければ、あくまで不動産は保有資産として捉えるのが一般的であり、事業戦略における有効な資産として考えている企業はそこまで多くないでしょう。

企業が持て余している不動産の価値を見直し、うまく活用することで企業規模を拡大したり、企業価値向上を狙ったりする考え方がCRE戦略です。具体的な方法としては、「拠点オフィスの統合や見直しによって見つかった余剰不動産の売却」「倉庫などの有効活用できていない不動産の別途利用」「特に何かに使われることもない遊休地などの不動産に目をつけた新たな事業の開拓」などが挙げられます。

近年、お金の流れに重点を置いたキャッシュフロー経営が注目され始め、企業には保有資産の効率的な運用が求められる時代になりました。そうした時代背景もあり、不動産の有効活用を目指すCRE戦略は、さらなる成長を志す企業にとって欠かすことのできないものになりつつあります。反対に企業不動産をうまく活用できない状態が長らく続くのであれば、それは思わぬ負債を招く危険性があることも意味するでしょう。


企業不動産を活用することの意義

CRE戦略を推し進めることは、企業にさまざまなメリットをもたらすでしょう。たとえば各地に点在していた拠点を集約・統合すれば、あまった不動産を売却・賃貸することで事業とは別に利益をあげることができます。そして、得た利益をまた別の事業に投資すれば、さらなる事業拡大を果たすことも可能です。企業不動産を見直し、活用していくことは売却益や賃料収入が見込めるだけでなく、無駄な不動産にかかる維持費・管理費といったコストを削減することにつながります。

また、不動産の価値は景気によって変動します。現状よりも価値が下がる前に抜本的な改革に出ることも1つの策として有効です。何も手を打たずに不良債権となった不動産を所有し続けていると、企業不動産の取得を目的とする「不動産M&A」の憂き目に遭う可能性もあります。コスト削減を果たしつつも不動産保有におけるリスクヘッジをしたい企業にとって、CRE戦略は渡りに船とも言える戦略です。

CRE戦略を実行するうえで、もう1つ抑えておきたいキーワードが「地域貢献」です。企業がCRE戦略により、それまで持て余していた土地で新規事業を始めたり、賃貸活用をしたりするなどといった有効活用をしていけば、自社の利益だけでなく地域創生という形でその地域の経済発展・再生に貢献することもできます。CRE戦略は、そうした側面においても非常に意義のある戦略と言えるでしょう。


見直しで再発見される不動産の資産価値

CRE戦略は、うまく活用できていない既存不動産に対して、最適な活用方法を改めて考えることで価値を向上させ、企業に収益をもたらすという利点があります。国土が狭い日本において、不動産は非常に貴重な資産です。そのため、資産価値をうまく見いだせていない企業不動産があれば、一度棚卸しすることをおすすめします。大きな利益を生み出す可能性のある不動産を再発見できるかもしれません。

企業としてのさらなる成長の可能性を見つめるうえでは、明確なビジョンに基づくCRE戦略が欠かせない時代となりました。2008年には国土交通省が「CRE戦略を実践するための手引き」を発表するなど国を挙げた取り組みとして浸透しつつあるだけに、CRE戦略を通して企業価値の最大化に努める必要があるでしょう。


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