建物・土地活用ガイド

2022/08/23

竣工見学会レポート(江戸川区葛西会場)

22年7月22日―23日(金・土)に松建設が開催した「竣工見学会」(賃貸住宅の建物見学会)に参加して、建物内部を見学、担当者の方やオーナー様からお話を伺いました。今回の見学会で私が感じた事、物件の率直な感想、そして皆様が今後見学会に行かれる際に参考にしていただきたい事などをお伝えします。

実際に参加した見学会

前回の「賃貸住宅見学会のポイント」でもお伝えしましたが、建物見学会は実際に建てられた入居前の完全な新築状態の建物をじっくり見学できる機会で、将来賃貸住宅経営をお考えの方が、ご自身の賃貸住宅に対する考えなどを実物を見ながら改めて確認する貴重な機会です。

今回訪問したのは7月22日(金)の朝10時、ちょうどスタートのタイミングでした。あいにくの雨と平日の朝という時間帯でしたが、すでに何組かの来場者がいらっしゃいました。会場では、賃貸住宅建築の専門家、賃貸住宅経営(管理・運営)の専門家が多数待機しており、またスタート時ということもありバタバタと準備をしている社員の方もいらっしゃいました。

今回見学した賃貸住宅は鉄筋コンクリート造地上6階建て。最上階6階はオーナー様一族がお住まいになるフロアで、賃貸住戸は1階に1部屋、2階〜5階は各4部屋で計17戸です。1LDKが5部屋、2LDKが12部屋となっています。聞けば、建物が完成した直後ですが1階の1部屋を除きすでに入居者が決まっており(7月22日時点)、残りの1部屋もこの日入居希望者が内覧に来られるとのことで、満室稼働でのスタートとなりそうでした。1階部分にはエントランスと住戸以外に、駐車場5台、駐輪場32台分のスペースが確保されており、ちょっとした庭もありました。

チェックポイント1:外観が与える印象をみる!

2方向が道路に面した角地の賃貸マンション。建物は南東向きで、外観は落ち着きのあるグレーの色合いです。
広い道路に面した側にベランダがあり、ベランダのフェンスが2・3階部分はガラス、4・5・6階は格子状の手摺となっており、材質を変えることで外からの印象が「のっぺら」にならず、落ち着きのあるいい印象を与えています。担当者に聞けば「設計担当者のこだわり」だそうで、こうした一見さらっと決めがちな事を丁寧に検討しているんだな、と感じました。

入居者視点でみれば、昨今の賃貸住宅選びは基本的にインターネットでの検索から始まります。インターネット検索では条件などでフィルターをかけますが、その後掲示される物件の一覧ではまず外観が選別基準になるのではないでしょうか。「ひとは見かけによらない」と言いますが、しかし「第一印象は大切」も間違いではないでしょう。賃貸住宅においても、これと同様で「外観が与える印象」は最重要ポイントの1つです。

チェックポイント2:室内のこだわり

次に居室へ入ります。

見学したのは4階の2LDK(約61u)角部屋と、5階中住戸2LDKの部屋でした。
ベットルーム(主寝室)の一角にリモートワークを想定したコーナーがあったり、キッチンから外が見える一体感のあるLDKになっていたり、「なるほど」と思わせる部屋作りになっていました。各部屋とも細部に工夫が凝らされています
部屋全体は落ち着いた色合いで飽きのこない仕上げになっています。「飽きの来ない」仕上げは、賃貸住宅では重要なポイントです。奇をてらった部屋や特徴的な部屋は特定の方に受けるかもしれませんが、空室が出やすい傾向にあります。

詳細は実際に物件を見て頂くのがいいと思いますが(見学会終了時には写真などでご覧ください。)、その際に重要な事は「入居者の視点」に立って見学する事です。
「家賃に見合った室内グレードか?」「水廻り設備のグレードは?」「ここにこんな家具が置けるな?」とイメージしながら見てみましょう。担当者に疑問に思ったことを、あるいはこだわりを聞きながら、室内見学を行ってください。きっと、将来自らが賃貸住宅の建築を計画する段階で役立つことでしょう。

オーナー様との会話で見えたこと

何部屋かを見学していると、マンションオーナーの冨田様がお越しくださいました。
色々と、考え始めたきっかけから今日に至るまでの経緯を丁寧にお話してくださいました。

以前から当地で小売店を営んでいたが、老朽化が気になっていた。そこへ当物件担当の松建設佐々木教之氏との出会いがあった。それはかれこれ18年も前の事だったという。それから折を見て年数回という頻度、佐々木さんと雑談等をしながら相談していた。いよいよ建て替えをしようと考えていた頃には「いろんな企業からの営業があり、それらの企業のお話を聞いてみたが、やはり長いお付き合いで当家のことを良く知っている佐々木さんにお願いすることにした」とのことでした。また、この葛西エリアでは松建設の手がけた物件、それも佐々木さんが担当された賃貸マンションが多くみられ、こうした会社の実績、担当者の実績も信頼につながったそうです。

エントランスを出て建物を見ながら、冨田様、佐々木さん、私の3人でしばらく雑談をしていました。お二人が「いや〜、お互い年を取りましたね」と、顔を見合わせながら笑っていました。この表情こそ「二人が長きにわたり築きあげた信頼関係の証」なんだと思いました。

この物件では、契約までは佐々木さんが対応を行い、契約した後は佐々木さんが信用を置く後任の前川さんが引き渡しまでの対応を行ったそうで、施主様への対応をリレー形式できめ細かに行ったようです。
オーナーの冨田様は「当初、佐々木さんが築かれた“施主との和”と“地域の輪”を、松建設さんのメンバーは忠実に継承しておられ、地域における“松ブランド”をしっかりと守り続ける体制が明確で、営業・工事・設計の三位一体のチーム力に驚かされました」とお話されていました。

高松建設の取り組み

地域密着型の営業を展開している高松建設は、賃貸住宅の見学会を頻繁に開催しています。どんどん参加して実際の賃貸住宅を見てください。
開催の場所や日時などについては、下記アドレスからご覧ください。

※見学会の開催予定はイベント情報をご覧ください。(竣工見学会は竣工建物、構造見学会は工事中の建物の見学会となります。)
https://www.takamatsu-const.co.jp/event/

これから建物見学会に出かけてみようと考えている方は、実際に完成したばかりのまっさらの賃貸住宅を見ながら、「賃貸住宅建築の疑問」や「賃貸住宅経営の不安」を率直に問いかけてみましょう。

吉崎 誠二 Yoshizaki Seiji

不動産エコノミスト、社団法人 住宅・不動産総合研究所 理事長
早稲田大学大学院ファイナンス研究科修了。立教大学大学院 博士前期課程修了。
(株)船井総合研究所上席コンサルタント、Real Estate ビジネスチーム責任者、基礎研究チーム責任者、(株)ディーサイン取締役 不動産研究所所長 を経て現職。不動産・住宅分野におけるデータ分析、市場予測、企業向けコンサルテーションなどを行うかたわら、テレビ、ラジオのレギュラー番組に出演、また全国新聞社をはじめ主要メディアでの招聘講演は毎年年間30本を超える。
著書
「不動産サイクル理論で読み解く 不動産投資のプロフェッショナル戦術」(日本実業出版社」、「大激変 2020年の住宅・不動産市場」(朝日新聞出版)「消費マンションを買う人、資産マンションを選べる人」(青春新書)等11冊。多数の媒体に連載を持つ。
レギュラー出演
ラジオNIKKEI:「吉崎誠二のウォームアップ 840」「吉崎誠二・坂本慎太郎の至高のポートフォリオ」
テレビ番組:BS11や日経CNBCなどの多数の番組に出演
公式サイトhttp://yoshizakiseiji.com/

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