TSUGITE 第8号 2016.10月発行

第8号の特集は「任せっぱなしの方も、そうでない方も 必見!こんなに差がでる管理会社の使い方」です。頼れる管理会社の選び方や管理会社の使い方についてご紹介します。その他、松建設100周年特別企画、「たてもの100年物語〔横浜市 開港記念会館〕」を試し読み。
※TSUGITEは松建設で建築いただいたオーナー様向けの情報誌です。WEBでは誌面の一部を公開しています。

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たてもの100年物語 横浜市開港記念会館


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洗練された建築物が建ち並ぶ、海の街・横浜。中でも一際美しさを放っている名建築が、この「横浜市開港記念会館」だ。国の重要文化財にも指定された美しい姿からは想像もつかないが、実は波乱に満ちた歴史をその内に秘めている。海風薫る横浜を訪ね、建物に刻まれた物語に耳をすませてみた。

ジャックと呼ばれ人々に愛され続ける横浜のシンボル

海風に吹かれながら大通りを歩いていると、その建物は現れる。赤煉瓦に白い花崗岩を走らせた辰野式の華やかな外壁、美しいカーブを描くドーム屋根、そして、横浜の空へとまっすぐに伸びる瀟洒な時計塔。横浜開港50周年を記念し、大正6(1917)年に市民の寄付によって建てられた「横浜市開港記念会館」だ。ジャックの愛称を持ち、すぐ近くの神奈川県庁(キング)、横浜税関(クイーン)とともに横浜三塔として親しまれている。

石段を上がり木製の扉を開けると、そこには四方をイオニア式の柱に支えられた玄関ホールが広がっている。正面には講堂への入り口、右手には大きなバラ窓からの光を受けた階段が二階へと続く。その光に誘われるように二階へ上がると、ステンドグラスや細かな意匠に飾られた開放的な空間に出る。ステンドグラスの見事さに目を奪われそうになるが、まずは天井を見上げてほしい。船の舵輪を模したという華やかなレリーフが、空間全体に気品を与えているのに気づくはず。開港記念会館ならではの実に心憎い演出だ。だが、残念なことに、この美しい装飾や空間は当時のものではない。竣工後わずか6年で、ある不運に見舞われたからだ。

話は過去に戻り、大正12年。横浜のシンボルとして人々に愛され、赤煉瓦建築の最高到達点とまで言われていた開港記念会館を関東大震災が襲う。単なる煉瓦造ではなく、帯鉄や鉄棒を入れた「碇聯鉄構法」で耐震補強していたため、外壁と時計塔は残ったが、火災により屋根と内部はすべて焼失してしまう。

現在の内装は、昭和2年に横浜市が再建した時のもの。竣工時のスタッフを掻き集め、往時の姿を忠実に再現しようと奮闘したそうだ。しかし、屋根ドーム群の設計図だけが見つからず、単なる陸屋根での再建となる。

竣工時の姿を心に残している人にとっては、少し寂しい再建となったが、大正時の意匠や技術の数々を現在に伝えてくれる貴重な再建工事だったことに疑いの余地はない。その後、昭和14年から始まる第二次世界大戦の戦禍は免れたものの、終戦後に米軍の接収を13年間も受けることになる。

寄せては返す波のように、次々と押し寄せてくる苦難。しかし、それらすべてを乗り越えてきた開港記念会館に、昭和60年、ひとつの朗報がもたらされる。創建当時の図面が工事関係者の家から発見され、屋根ドーム群の復元が可能になったのだ。開港130周年にあたる平成元年、復元工事は完了。屋根は天然スレートや緑青の銅板で葺きなおされ、意匠を凝らしたドームや尖塔も復活する。実に66年振りに甦った大正時代そのままの姿は、横浜の人々の目に一層輝きを増して映ったに違いない。

建物の価値とは、一体何が形づくるのか?人々に支えられ続けてきた開港記念会館のことを知れば知るほど、ある思いにたどり着く。目に見える外観や装飾、建築様式もさることながら、目には見えない歴史にこそ、その要因は秘められているのだと。

全国にある1917年生まれの100年建築

東京都品川区

旧島津公爵邸(清泉女子大学本館) 東京都指定有形文化財

愛知県岡崎市

岡崎信用金庫資料館(旧岡崎銀行本店) 国登録有形文化財

兵庫県神戸市

神戸市 水の科学博物館(旧奥平野浄水場) 国登録有形文化財

福岡県北九州市

旧大阪商船 国登録有形文化財

任せっぱなしの方も、そうでない方も 必見!こんなに差がでる管理会社の選び方


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管理会社の多くは仕事がずさん!?マンション経営成功の鍵は管理会社選びにあり!?

どんなに良質なマンションであっても、マンション経営にトラブルは付きものです。さて、それらのトラブルを迅速かつ適切に解決してくれる優秀な管理会社をパートナーに選ぶのか?それとも、トラブルを何日も放置してしまうすさんな管理会社を選ぶのか?パートナー選び次第で、その後のマンション経営は大きく変わることになります。「マンション経営成功の鍵は管理会社選びにある」といっても過言ではありません。

複数の候補を立てて慎重に!頼れる管理会社の選び方

管理会社は大きく分けて、建物や設備の維持・保守などの「ハード面の管理」と、集金やクレーム対応、入居者募集などの「ソフト面の管理」に分かれますが、いずれの業務も入居者様に対し、「安心・安全・快適」な住環境を提供することがミッションとなります。24時間365日トラブル対応しているか?入居者様の声を把握しているか?入居者ニーズや昨今のトレンドをもとにオーナー様に適切な提案をしているか?など、「入居者目線」に立った取り組みを実施できているかどうかが、管理会社選びの重要なポイントになります。また、コンプライアンスを重視した組織体制かどうかも、きちんとチェックしましょう。

頼れる管理会社のチェックリスト
  • □ 管理棟数や管理業務の実績が十分か。
  • □ 十分な人員がいて、管理体制が整っているか。
  • □ 日・祝・夜間、24時間365日対応可能か。
  • □ 都合の悪い情報でも、報連相が徹底されているか。
  • □ 管理物件の共用部が、きれいに整頓されているか。
  • □ 空き物件情報を抱え込まず、広くPRしているか。

ほんとうにあった!管理にまつわるトラブルの話

契約外は他人事…管理不足による深夜の水漏れ… 夜間対応の無い管理会社。

深夜、共用部に水漏れが発生。緊急事態にもかかわらず、管理会社とはまったく連絡が取れません。仕方なくオーナー様は夜間対応可能な業者を呼ぶことに。しかし、初見の業者では建物構造を把握できないため、修理に大変な時間と労力、高額な費用がかかってしまいました。しかも水漏れの原因は、管理会社が配管メンテナンスを怠ったためだったそうです。翌日、オーナー様は管理会社に事態を報告しましたが、「営業時間外は対応しないと契約書にきちんと書いてありますよ」と、他人事のように扱う始末…。

デキる管理会社は報連相が完璧!

適切な点検・メンテナンスを怠ることは論外ですが、日頃から「報告・連絡・相談」を行う管理会社であれば、トラブル時の対応方法などはオーナー様と共有できています。また、建築図面・建物構造などを把握し、24時間体制で対応できる管理会社なら、このようなトラブルは起こり得ないでしょう。

トラブルを防ぐためにオーナー様が出来ること
  • ● 管理会社の委託契約内容をきちんと把握し、見直すべき点は検討。
  • ● 任せきりにせず、管理会社ときめ細かくコミュニケーションをとる。
  • ● 設備関係の点検や適切なメンテナンス時期など、管理会社の提案に耳を傾ける。

真実は闇の中…原状回復時の確認不足でオーナー様に高額な請求が

退去時の立ち合いの際、タバコのヤニで壁紙がひどく黄ばんでいる部屋がありました。入居者は「はじめからヤニで汚れた状態だった」と主張しますが、担当者の記憶では、入居時にヤニ汚れはなかったはずです。しかし、担当者は入居時の写真を全く残しておらず、証拠がありません。本来であれば、タバコのヤニ汚れは入居者負担で請求できるはずですが、結局、全てオーナー様の負担に…7万円以上ものクロス張替代を請求されてしまいました。

デキる管理会社は事前準備が万全!

通常、管理会社は入居前に室内チェックをしっかりと行い、全て写真に収めて証拠として保存しています。また、入居者様に対して入居時チェックリストを渡し、問題点を予め書面で報告してもらうなど、退去時のトラブル防止に努めているため、入居者様の一方的な主張が通ることはありません。

トラブルを防ぐためにオーナー様が出来ること
  • ● 退去時に、必ず次の入居者様のためにクリーニングやリフォームを行う。
  • ● 入退去の立会い時に、写真撮影をするようルール化する。
  • ● 費用を抑えたい場合は管理会社にアドバイスを求める。

空室対策にも!満足度アップにも!アイディアがある!任せて安心 管理のプロ


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入居がすぐ決まるマンションの理由!空室対策にはいくつもの打つ手がある

部屋によって空室の要因が違うからこそ、優秀な管理会社であれば、空室対策に繋がる様々な提案してくれるはずです。たとえば、設備については時代とともに入居者様のニーズは変化するため、適切なタイミングで、時代に合った設備の導入や交換が必要です。入居者にニーズをしっかりと掴んだ提案があれば、マンションの商品価値アップに繋がり空室対策に大きな効果があります。また、最近の入居希望者は、不動産屋に行く前にパソコンやスマートフォンを利用して部屋探しを進めます。主要サイトへの物件掲載はもちろんのこと、独自サイトを作成し入居者募集を展開する管理会社も最近増えてきています。その他にも、入居者へのプレゼントキャンペーンやフリーレントなど、プロの管理会社はいくつもの空室対策の引き出しを持っています。

入居を迅速に決める管理会社のPOINT
  1. 設備導入やリフォームなど、建物の商品価値を上げる提案をしてくれる
  2. インターネット使い放題など、入居者ニーズに合った提案をしてくれる
  3. ビジュアル的に見やすく、入居者の目を引く魅力的な募集チラシを作成してくれる
  4. 市場動向を掴み、家賃相場に会った適正な賃料を提案してくれる
  5. 主要ポータルやサイトや独自サイトに物件情報を幅広く掲載している
  6. 内見者の第一印象をよくするために、細かい所まできれいにしている

管理会社を使いこなす!空室対策プランを改善する秘訣

反響数・内見数・申込数の確認

管理会社が記録している反響数・内見数・申込数などのデータを報告してもらい、数字をもとに入居が決まらない原因を探り、担当者に具体的な対応策を求めましょう。

募集チラシやポータルサイトの確認

募集チラシやポータルサイトに、物件のアピールポイントや写真がしっかりと掲載されているかを確認し、不足があれば掲載するように依頼しましょう。

入居キャンペーンの相談

入居がなかなか決まらない場合には、引っ越し後にすぐに必要になるであろうテレビや自転車を入居者にプレゼントするなど、期間限定の入居キャンペーンを実施してほしいと相談してみましょう。

空室が少ないマンションはココが違う!満足度の高さと入居率の高さは比例する

「テナントリテンション」という言葉をご存知でしょうか?これは、入居者様の満足度を高め、末永く住んでいただこうという考え方です。退去の理由は、「転勤」や「結婚」などの防ぎようのないものだけではなく、「管理会社の対応が悪いから」や「建物の清掃が行き届いていないから」といった、防ぐことのできる理由も少なくありません。「設備の故障やクレームに対し、迅速に対応する」、「清掃管理の徹底により建物の美観を常に保つ」、「エントランスに季節のイベントに応じた飾りつけを行う」など、テナントリテンションを念頭に置いた取り組みを行っている管理会社であれば、不要な退去を未然に防ぐこともできます。マンションの立地や品質が入居率を左右するのは言うまでもありませんが、管理の満足度についても入居率に大きな影響を与えるのです。

高い入居満足度を保つ管理会社のPOINT
  1. 設備の意不具合や入居者からのクレームに迅速な対応が出来ている
  2. 入居者アンケートなどで入居者様のニーズや、満足度を把握している
  3. 退去理由をヒアリングし、問題点を改善している
  4. 女性目線に立った清掃管理などでマンションの美観が保たれている
  5. 植栽や照明などを利用した、外構の演出についても提案してくれる
  6. 季節のイベントごとにエントランスに飾りつけ提案をしてくれる

管理会社を使いこなす!管理サービスを改善する秘訣

定例会の実施

定期的に管理会社と打ち合わせをし、マンションの管理状況や入居状況について情報共有をしましょう。管理会社と二人三脚で管理するというスタンスが必要です。

室内チェックリストの実施

入居者による室内チェックリスト記入を、入居時に実施してもらいましょう。退去時のトラブル防止はもとより、入居者の不安を取り除き、安心して住み続けられる環境づくりが大切です。

定期清掃実施表の確認

定期清掃実施表で、「いつ」「どこを」「誰が」清掃したかを確認。実際にその通りに清掃が行われているかも、オーナー様自身がチェックしましょう。

執筆・監修
株式会社パワーコンサルティングネットワークス
代表取締役 谷崎憲一

掲載内容は2016.10月発行時点のものです。
時間経過による掲載内容の変化は保証できませんのであらかじめご了承ください。
内容についてお確かめの場合は、【0120-53-8101】へお問い合わせください。

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