TSUGITE 第18号 2021.3月発行

第18号の特集は「今こそ考える、賃貸管理の未来。家時間に付加価値を。入居者視点のニューノーマル。」です。コロナ禍の影響によって急速に進む「職住融合」。新しい生活様式を受けて、入居者様のニーズも変化し、住まいにも新たな役割と機能が求められるようになりました。18号の特集は、入居者様のお声から見えてきた答え、松エステートの「入居者視点のニューノーマル」を考えます。
※TSUGITEは松建設で建築いただいたオーナー様向けの情報誌です。WEBでは誌面の一部を公開しています。

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今こそ考える、賃貸管理の未来。家時間に付加価値を。入居者視点のニューノーマル。

家時間に付加価値を。入居者視点のニューノーマル。

時代とともに常識が変化し、暮らしの在り方が今、大きく移り変わろうとしています。
コロナ禍の影響によって急速に進む「職住融合」。
テレワークが普及し、自宅で過ごす時間が増えることで、快適で豊かな家時間への需要が高まり、住まいにも新たな役割と機能が求められるようになりました。

そのような新しい生活様式を受けて、入居者様のご要望にどうお応えし支えていくのか。
それは賃貸管理における問いでもあり、最先端のニーズをとらえプランニングに尽力してきた松エステートの使命でもあります。

今だからこそ、入居者様の「お声」に耳を傾け見えてきた答え、松エステートの「入居者視点のニューノーマル 」。
これまで利便性を高める「付加価値」として求められた設備は、【非対面】【非接触】【リモート・オンライン化】といった、新しい社会像から要求される機能を備えた「必須価値」へ。

変化し続ける日常の価値観に対応し、家族とのひととき、仕事に励む時間の充実をサポートしながら、築年数に左右されることなく、賃貸管理から賃貸経営を強くしていく。
変化の時代に一手先を見据える、賃貸管理の未来があります。

松エステートから
賃貸管理のこれからのために
入居者様へアンケートを実施

新しい生活様式が求められる中、賃貸経営のニーズも変わりつつあります。実際に今、入居者様にとって必要なものは何か、そしてどういったことを悩み、感じられているか。そのような想いから、松エステートでは入居者様へアンケートを実施しました。アンケート結果にはオーナー様のご所有物件の価値を向上させるヒントがあります。寄せられた入居者様の声を、オーナー様のこれからの賃貸経営のお役に立てていただければ幸いです。

アンケート実施時期/2020年11月
対象/松エステート管理物件のご入居者様(抜粋)
有効回答/342件

Q.1 現在、抱えておられるお悩みはありますか。

Q.2 在宅時間が増えたことによって、さらに必要と感じる設備はありますか。

Q.3 感染症対策で、お住まいの賃貸マンションに期待することはありますか。

Q.4 現在ないもので、強化してほしいと思う施策はありますか。

今、求められること。
さらに未来を見据えてお応えしていきます。

入居者様のアンケートから顕著に見えてきた、「テレワークを考慮した住環境づくり」「ウイルスとの接触機会を減らすための施策」への高まるニーズ。とりわけ今後強化してほしいと思う施策について上位を占める、「非対面・非接触」「共用部の抗菌」は感染症対策として、その対応は急務であるともいえます。何も高額なコストをかけなくても、実施できる施策もあります。このような視点で物件の見直しを行うことで、入居者様にはさらなる快適と安心をお届けし、未来の入居希望者様には物件の優位性を感じていただけます。松エステートでは、入居者様のニーズに基づいた提案によって、オーナー様の物件をより魅力的に感じていただくためのお手伝いをしてまいります。

安全安心はどうか? 職住の両立はどうか?
入居者視点のニューノーマルとは

共用部の設備による非対面・非接触対策

 感染症対策として松エステートが優先して注力するのが、入居者様および不特定多数の方々が利用する共用部における対応です。もともとセキュリティや生活の利便性向上を目的に導入されてきた設備ですが、新型コロナウイルスの感染拡大防止を受けて、その価値は変わり、新たな視点での重要度が増してきました。例えば、オートロック自動ドアはセキュリティに加えて、ドアに触れない「非接触」という価値へ。宅配ボックスは、いつでも荷物を受け取れる便利さに加えて、人との対面・接触をしなくても受け取りができる「非対面」という価値において、ますます需要が高まってきています。
 共用部は、入居者様をはじめすべての来訪者様にとって安全で安心できる空間であるべきだと松エステートは考えます。今後、引き合いが増えると予想される、光触媒などの抗菌コーティングについても対応を進めます。光触媒とは光が当たることで化学反応を起こす技術。アルコール製剤が効きにくいウイルスや菌を酸化分解し、効果が長期に持続するため、メールボックスやドアノブなどにおすすめです。もちろん、日々の身近な感染予防対策にも注力し、アルコール消毒スプレーの設置など、管理メニューの強化に努めています。

テレワークも円滑に インターネット環境の整備

 働き方の変化に伴い、広く普及し定着しつつあるテレワーク。在宅時間が長くなり、あらゆる世代でインターネットの利用が増えていくことは必至です。すでにテレワークのみならず、在宅でのオンライン学習や通信販売の利用、動画視聴やゲームを楽しむなど様々な場面で、データ通信の大容量化および高速化が求められています。
 そこで、入居者様からのご要望も多く、かねてから松エステートとしてもご提案を進めているのがネット環境の整備です。新築物件のインターネット完備はもちろん、既存物件については、テレビを視聴するための同軸ケーブルを用いた、配線工事が不要なWi‐Fiの導入が好評です。入居者様が格安でご利用できる安定感のあるネット環境の整備により、今後、様々なIoT化にも対応が可能になります。IoTとは、例えばテレビやエアコンといった家電がインターネットにつながることにより、スマホなどで遠隔からの操作や確認ができる仕組みのことです。帰宅途中にエアコンを遠隔操作でオンにすれば、帰ってすぐ快適な温度で過ごすこともできます。取り付けるだけで室内をIoT化できるマルチファンクションライトの採用など、より便利にそして快適な家での時間をご提案しています。

ワークスペースを設けた住まい

テレワークが日常化する中、ワークスペースをどう設けるか。大切にしたいのが、健全な空間であること。生活のリズムを守りながら仕事との切り替えができる工夫が必要です。松建設グループでは、すでにワークスペースのある新築物件を提案中。既存物件では現在の間取りにおいて、いかに新しい空間を生み出すかという点に重きを置いて、オーナー様のご要望に応じた提案を行っています。


居室に行う除菌対策

消臭・除菌剤入居者様に清潔で安心な空間で過ごしていただくために、松エステートでは入居者様向けに手軽に除菌・消臭ができる除菌キットの取り扱いを一部で始めました。除菌効果が高く引火性のない有効成分「高濃度二酸化塩素ガス」により、部屋の除菌・消臭を行うことができます。高濃度二酸化塩素ガスは、細菌やウイルスを除去することから新型コロナウイルスの感染予防にも期待が寄せられています。

入退去時のリフォームにおすすめの抗ウイルス対策

抗ウイルス壁紙居住空間に対して有効性のあるものとして抗ウイルス壁紙があります。表面に抗ウイルス剤をコーティングした壁紙で、ウイルス表層のたんぱく質を変性・破壊し、壁紙表面に付着したウイルスや細菌に効果があります。

光触媒コーティング/抗ウイルス・抗菌ガラスコーティング
入退去時のクリーニングやリフォーム後などにコーティング作業をおすすめします。抗ウイルス・抗菌とともに、防汚・防カビなどにも効果を発揮するため、玄関扉ドアノブやシューズボックスをはじめ、キッチン、トイレ、浴室などにも幅広く活用いただけます。

もっと快適な住環境を実現するために

快適空間づくり家で過ごす時間が増えることにより住環境への要求も増えています。松エステートには入居者様から日々の使用頻度が高い水回り設備をはじめ、様々なご要望が寄せられています。大規模修繕やリフォームのタイミングに合わせて一度ご検討をおすすめします。松建設グループとして入居者様のニーズにあったご提案をいたします。

新しい生活様式を見据え、入居者様の毎日を支える!
賃貸管理を強化するサービス紹介

入居者様の暮らしに寄り添うコンシェルジュサービス

 ライフスタイルやワークスタイルの多様化に伴い、マンション管理の質や環境もより柔軟で細やかな対応が必要になってきました。松エステートのコンシェルジュサービスは、コロナ禍においても、非対面で様々なサービスの提供が可能。入居者様により安く、より簡単にご利用いただけます。入居者様の満足度アップと、それによりオーナー様の所有物件における価値の向上につながるよう努めています。

長い家時間を守る24時間駆けつけサービス

東京は「ハッピーコムライフサポート」、大阪は「松あんしんサポート24」とそれぞれの名称でサービスを提供しています。入居者様の暮らしの困りごと・トラブルを24時間・365日コールセンターでサポートいたします。(応急処置は無料)

ほかにも各種サービスをご用意


建物のある風景

時代を超えて人々に愛されつづける建物たち。
そんな建物のある風景を訪ねに、ちょっとでかけてみませんか。

豊田市美術館

● 竣工:1995年(平成7年) ● 構造:鉄筋コンクリート造(一部鉄骨造)地上3階、地下2階 ● 住所:愛知県豊田市小坂本町8-5-1 ● 開館時間:10:00〜17:30( 入場は17:00まで) ● 休館日:毎週月曜日(祝日は除く) 年末・年始 ● お問い合わせ:0565-34-6610

 「建築は基本的に器であり、美術館なら作品を見せる器、作品と人が出会う器である」そう語るのは、豊田市美術館の設計を手がけた建築家、谷口吉生氏。その言葉の通り、豊田市美術館は鉄とガラスのシンプルな形態のモダニズム建築で、展示や鑑賞に対する配慮の行き届いた機能的な建築となっています。例えば展示室。密閉された単純なホワイトキューブでなく、側壁から光が入る設計など、真っ白な大きな箱にさりげなく別の価値が加えられています。自然光を取り入れながら、影を落とさない空間は、コントラストを強調することなく優しい光によって作品と来場者の出会いを心地よく演出するのです。
 このように機能的でありながら自然との調和を感じられるのも、豊田市美術館の建築としての魅力であり、美術館前の庭園は、その象徴ともいえるでしょう。庭園は2階層になっており、上段に広がるのは大池。人と建物の距離を保つように水が存在感を示し、季節や天候、時間の変化が水面に映し出されます。下段の庭園は、芝生と砂利によって市松模様が描かれた空間に。こうして建物と水、空、緑が協調するランドスケープが、美しく創造されているのです。
 敷地内にある茶室「童子苑」も、建物と自然の融合を感じられる場所。この茶室も美術館同様、谷口氏が設計したもので、現代数奇屋建築の最高傑作ともいわれています。美術館のモダニズムとは逆に、枯山水の庭園に包まれた純和風建築の茶室。四季によって移り変わる自然の表情が、訪れる人たちにわびさびを感じさせてくれます。
 豊田市美術館はアートに触れる場所であると同時に、豊田市美術館そのものも、自然の中に浮かび上がる芸術として存在する建築となっているのです。

左から 展示室へつながる階段・展示室:内観は光溢れる開放的な空間から始まり、そこから小さい展示室に移り、再び明るく広々とした空間に出るという変化に富んだ設計となっている。/茶室「童子苑」:美術館の西側に位置する、数寄屋造りの茶室。四季折々の自然の表情に加え、美術館と調和のとれた縁側の床石が印象的で、風情あふれる水琴窟の水音も心地よい。/庭園(上下):世界的に活躍するランドスケープ・デザイナーであるピーター・ウォーカーが設計した、円と四角、幾何学と不定形の対立する要素で構成される2段式の庭園。

名古屋支店設計本部
一級建築士

神尾 智

金沢にある鈴木大拙館の設計も手がける谷口氏。豊田市美術館との共通点は、水(水辺)を建築に取り込んでいることです。水に空や建物、緑が映り、さらに、風で水面が揺らぐことで、見る人が様々な変化を楽しめる設計。建物は水平ラインを強調したシンプルなデザインで、美しく自然と調和します。

オーナー様を陰から支える建設のプロフェッショナルたち 想いを築く仕事人 Vol.6

オーナー様を支える営業部を、さらに裏側から支え続ける。

松建設大阪本店 営業企画部
松尾 東
営業本部を戦略、教育、環境の側面からサポートする営業企画部。バックオフィスから営業業務の質を向上させることで、お客様の満足度の向上を目指す。

築くのは建物そのものでなく、オーナー様とのより良い関係。

 営業本部を後方から支援する営業企画部。その業務は多岐にわたるため、14名からなる部署は4つのチームに分かれている。イベントやセミナーの運営などを行う企画チーム〞、お客様との契約書などの作成を行う庶務チーム〞、新人の研修などを行う教育チーム〞、グループウェアや社内の決済システムなどを管理するシステムチーム〞だ。それぞれが各業務のプロフェッショナルとして、営業本部を幅広い角度から支援している。
 松尾は現在、部長としてその営業企画部を牽引している。しかし、以前は22年にわたって営業本部で前線に立っていた。そうした経歴を持つ松尾だからこそ、部内のメンバーへ声高に伝えていることがある。それは、営業部員と積極的にコミュニケーションをとり、営業現場の生の声を聞くことだ。「営業の実態を知らなければ、真の営業支援はできない」と松尾は話す。そのために、自身の営業での経験やエピソードを、部内のメンバーに伝えるように努めている。形式的な業務ではなく、実効性のある支援を実現することではじめて、営業部、そして、その先にいるオーナー様に寄り添えると考えているからだ。
 営業企画部が目標としているのは、顧客満足度120%〞の実現。そのために特に重視している業務が、徹底したアンケートの管理だ。松建設では竣工後、オーナー様にアンケートに答えていただく。その回答をチェックし、少しでも改善の余地が見つかれば、その都度、松尾は各部署やグループ会社とミーティングを行っている。そうやって、オーナー様とのコミュニケーションの方法や業務の質を向上させられるように努めているのだ。どんなに小さな不満も見逃さず、しっかり改善していく。その積み重ねがオーナー様とのより良い関係を築くためには欠かせない。
 松尾は常々、「営業企画部は手足の関節に似ている」と感じている。仕事をスムーズに進行するためのつなぎ役〞として、必要不可欠な役割を果たしているからだ。建設会社の仕事は営業職や設計士、工事担当者にスポットライトが当たることが多い。しかし、その裏側にはいつも営業企画部のような力強いつなぎ役の存在があるのだ。


掲載内容は2021.3月発行時点のものです。
時間経過による掲載内容の変化は保証できませんのであらかじめご了承ください。
内容についてお確かめの場合は、【0120-53-8101】へお問い合わせください。

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