- 髙松建設不動産市況レポート
2025年8月 髙松建設不動産市況レポート
中古マンション価格の乖離率 東京と他エリアの比較
2025年7月31日に株式会社東京カンテイ(以下「東京カンテイ」)より「2024年中古マンションの売出事例と取引事例の価格乖離率」が発表されました。
価格乖離率とは、中古マンションが売り出された際の価格(=売出価格)とその物件が成約に至った際の価格(=取引価格)の差額を比率で示したものです。つまり価格乖離率のマイナス幅が大きければ大きいほど、売出価格から取引価格への下落が大きいということになります。
それでは、地域別の推移を見ていきましょう。
価格乖離率の推移

(株式会社カンテイ「中古マンションの売出事例と取引事例の価格乖離率」より作成。以下同様)
首都圏の価格乖離率は -4.38% と2024年上期から2ポイント縮小し、コロナ禍当初で購入ニーズが高まった2021年の水準をさらに下回りました。
東京カンテイでは「価格高騰が進む中でも東京都心部においては比較的資金に余裕がある購入層からの実需・投資ニーズが引き続き旺盛で、圏域平均の価格水準を押し上げている」としています。
中部圏や近畿圏でも同様に乖離率は縮小傾向にありますが、3エリアを比較するとやはり首都圏の乖離率が突出して小さいことが確認できます。
売出→成約までの期間

次に売却期間を見ていきましょう。
コロナ禍当初は購入ニーズが高まったことで売却期間も短縮傾向にありましたが、現在はいずれのエリアも長期化傾向にあります。
価格乖離率と売却期間の相関係
| 首都圏 | 中部圏 | 近畿圏 |
|---|---|---|
| -0.04 | -0.70 | -0.85 |
上の表の数値は価格乖離率と売却期間の相関係数を比較したものです。
中部圏と近畿圏では高い負の相関がみられます。これは売出価格と成約価格の差が大きければ大きいほど売却期間が短くなるという構図を示しています。
わかりやすく言えば、買い手にとって手の届きやすい価格設定をすればすぐに売れ、逆に売主が価格を下げなければ売却期間が長期化するということです。
一方、首都圏についてはこの関係がほとんど見られません。東京カンテイによれば「立地優位性や交通利便性が良好であったり、新築の代替となり得る築浅中古物件では、直近の取引価格よりもさらに強気な価格で設定するケースも多い。売り出し後に反響が芳しくなくても早期かつ大幅な価格改定をせず、じっくりと買い手が現れるのを待つ姿勢がうかがえる」としています。こうした傾向が、数字にも反映されていると言えます。
今回のデータからは中古マンション市場における地域ごとの特徴が見えてきます。首都圏では乖離率が突出して小さく売却期間との関連も見られないため、価格高騰のなかでも需要が底堅く、価格調整をせずとも買い手がつく強い市場環境が続いているといえます。
一方、中部圏や近畿圏では乖離率と売却期間に明確な関係が見られ、価格を調整することで流通が活性化する、市場のバランス感覚が働いている様子がうかがえます。つまり首都圏は底堅い需要が価格を支える特殊な環境であり、中部圏・近畿圏では「価格次第」で流動性が左右される市場であるという違いが明らかになったといえるでしょう。
定点観測データ
Ⅰ 首都圏中古マンション流通レポート

Ⅱ 近畿圏中古マンション流通レポート

Ⅲ 中部圏中古マンション流通レポート

Ⅳ 福岡県中古マンション流通レポート

Ⅴ 貸家着工戸数状況(東日本)
出典: 国土交通省

Ⅵ 貸家着工戸数状況(西日本)
出典: 国土交通省

Ⅶ 金利の推移

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