- 髙松建設不動産市況レポート
2022年6月 髙松建設不動産市況レポート
我が国でも、食品やエネルギー関連価格の上昇が目立ち始めました。原材料費高騰によるコストプッシュ型の物価上昇基調が鮮明となっています。ただ、需給ギャップのデータを見れば、需要が旺盛というわけではないため、一時的なものと考えられます。こうした事から、我が国においては、しばらく金利上昇の可能性は低いものと思われます。
TOPICS① 安定して推移するレジテンスキャップレート
(一財)日本不動産研究所より22年4月時点のキャップレートが発表されました。キャップレートは、「調査時点で、不動産投資を行う場合、どのくらいの利回りを期待するか」を不動産投資の専門家にアンケート調査し、それをまとめたもので、不動産投資を行う方にとっては重要な指標の一つと言えます。
賃貸住宅(一棟)キャップレートの推移

新型コロナウィルス感染拡大前と後でのキャップレートを東京、名古屋、大阪で比較してみましょう。どのエリアもコロナ禍でキャップレートが上昇することがなく、むしろ下落、つまり投資家の積極的な姿勢が見られます。特に、大阪のワンルームは新型コロナウィルス感染拡大初期2020年4月の時点でも下落しており、その後横ばいとなるも21年10月、22年4月2期連続で下落と、コロナ禍もポジティブに捉えられているようです。
プロパティ別 キャップレートの推移

プロパティ別で、長期推移を見てみましょう。宿泊特化型ホテルはコロナ禍で上昇しましたが、それ以外は、一部横ばいの時期もあるものもありますが、下落しています。不動産投資自体に対して、ポジティブな姿勢を崩さなかったと言えます。コロナ禍で定着したテレワークにより、オフィス需要も懸念されていましたが、今の時点では、コロナ前よりも下落しています。
TOPICS② コロナ禍でも大きく下落しなかったマンション賃料
分譲マンション賃料推移

こちらのグラフは、分譲マンション(ファミリータイプ)の月額募集賃料の平均の推移を表しています。賃料は「下方硬直性」があると言われていますが、ここでは、新築物件や空室が出て新たに募集をしている賃料となるので、その時期の経済や世の中の状況を反映していると言えます。
推移を見ると、東京23区、名古屋市、大阪市ともに2013年頃から多少の上下はありますが、右肩上がりで賃料が推移しているのが分かります。都市別に見ると、東京23区はここ数カ月は実数値でマイナスが見られるも、前年同月比ではプラスとなっています。また、一部微減はしましたが、コロナ禍でも大きな減少は見られませんでした。名古屋市も、新型コロナウィルス感染拡大開始直後は数か月間、前年同月比でマイナスになりましたが、その後は上昇が続いており、2021年6月に2000円の大台を超えてから、2000円超をキープしている状況です。大阪市は、上下が他のエリアよりも大きいのが特徴的です。コロナショック以降は下落が暫く続いていましたが、2021年の年末頃から回復傾向に入り、現在では、前年同月比10%に届く勢いで上昇しています。
新築・中古マンション坪単価推移(単位:万円)

賃料上昇の要因の一つとして、マンション価格の高騰が挙げられます。2011年の価格と比べると2021年は3都市ともに、新築は約1.5倍、中古マンションは1.4倍と価格がかなり上がっているのが分かります。分譲マンション価格の上昇が、賃貸需要を引き起こし、賃料上昇圧力となっている状況と言えそうです。
定点観測データ
Ⅰ 首都圏中古マンション流通レポート

Ⅱ 近畿圏中古マンション流通レポート

Ⅲ 中部圏中古マンション流通レポート

Ⅳ 貸家着工戸数
出典:国土交通省

Ⅴ 金利の推移

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