- 髙松建設不動産市況レポート
2024年2月 髙松建設不動産市況レポート
TOPICS① 新設住宅着工戸数にしめる賃貸住宅の割合の変化
2023年の年間の新設住宅着工戸数は、持ち家(注文住宅)が大幅減、貸家(賃貸住宅)は微減という状況でした。新設住宅着工戸数は「総数」「持ち家」「貸家」「分譲住宅(戸建・マンション)」「給与住宅」に分けて公表されますが、都道府県別に見ると各カテゴリーが占める割合が異なり、特徴があります。また、不動産を取り巻く市況によっても変化します。
以下、細かく見てみましょう。
新設住宅着工戸数に貸家が占める割合(全国・東京・大阪・愛知・福岡)

国土交通省「住宅着工統計調査」より作成
グラフは東京都・大阪府・愛知県・福岡県における新設住宅着工戸数に貸家が占める割合を、年単位で2019年から2023年までの推移を示しています。(基準として全国総数の割合も掲示)
このグラフから、近年主要都市では概ね貸家の割合が増えていることが分かります。特に東京都は貸家が占める割合が2021年以降50%を超え、2023年は54.7%と高い水準となっています。もともと「持ち家」が少ない東京都ですが2022・2023年はさらに減少し、加えて分譲マンション供給数も増えていないことから、横ばい傾向が続く貸家が相対的に増えたのでしょう。過去を振り返っても全国では30%台後半が続いていましたが、近年は4割を超えています。先に述べたように、この背景は貸家が増えているというより、持ち家の減少が影響しているものと考えられます。
その中でも福岡県は多少波があるグラフとなっています。福岡県では福岡市や周辺地域への人口流入が進み、持ち家・分譲住宅もそれなりに建築されており、貸家着工戸数が大きく減少しているわけではありません。ですが、それでも割合としては減少している状況です。
大都市では、このように新設住宅着工戸数に占める貸家の割合がしばらく増えるものと思われます。
TOPICS② 今後、増える見通し!給与住宅(社宅)の建築状況
法人が従業員に対して福利厚生の一環として提供する住宅が社宅(社員寮)です。
かつて社宅は大手企業や多くの若い働き手を雇用する企業などが保有していましたが、2000年代に入り「企業が保有していながら直接的に収益を生まない不動産」ということから、手放す企業が増えました。
その後は、自社保有の社宅ではなく賃貸住宅を企業が借り上げ提供する借り上げ社宅(従業員が賃料一部負担)、あるいは家賃補助(従業員が借りた賃貸住宅の賃料の一部を補助)などのスタイルが一般的になりました。
しかし、近年は再び社宅の意義が見直され始めており、今後は増えることが予想されます。
給与住宅着工戸数の推移(全国)

※給与住宅とは会社、官公署、学校等がその社員、職員、教員等を居住させる目的で建築するもの。
国土交通省「住宅着工統計調査」より作成
上のグラフは、1988年から2023年までの給与住宅(社宅)の新規着工戸数の推移です。
1990年代後半まではある程度、社宅が建築されていることが分かります。ミニバブル期に少し上昇傾向でしたが、低調が続いています。
下のグラフは、2022年以降の給与住宅(社宅)の新規着工戸数の推移を月別に見たものです。
まだ増える傾向はあまり伺えません。しかし、徐々に社宅の存在価値を見直す機運が高まっているようです。その背景には、2023年3月期決算以降に義務化した上場企業の「人的資本経営開示」に社員に対する福利厚生に関するの項目があること、また、地震に対する警戒が高まる中、企業の事業継続計画(BCP対策)において災害時の拠点として社宅を活用する案が浸透し始めていることなどがあげられます。
2024年以降、社宅建築を計画する企業が増えてくるキザシが感じられます。
定点観測データ
Ⅰ 首都圏中古マンション流通レポート

Ⅱ 近畿圏中古マンション流通レポート

Ⅲ 中部圏中古マンション流通レポート

Ⅳ 福岡県中古マンション流通レポート

Ⅴ 貸家着工戸数
出典:国土交通省

Ⅵ 金利の推移

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