- 髙松建設不動産市況レポート
2023年6月 髙松建設不動産市況レポート
15日に開かれたアメリカFOMCでは22年1月以来続けていた利上げを行わないことになりました。好調が続く日本経済では、日銀の予想に反してしばらく2%を超えるインフレが続きそうな気配です。国債のイールドカーブコントロール解除、あるいは金融緩和政策の見直しの気配も、少しづつ感じられるようになるでしょう。
TOPICS① 地方都市でも高まる賃貸住宅への投資熱
(一財)日本不動産研究所の「不動産投資家調査」により、最新のキャップレートが公表されました。
キャップレートは期待利回りのことを言い、「調査時点で、該当エリアで不動産投資を行う際どのくらいの利回りを期待するか」を不動産投資の専門家にアンケート調査し、それをまとめたものです。
キャップレートの低下は「たとえ利回りが低くてもそのプロパティやそのエリアに投資をしたい」ということ、逆に上昇すると「これくらいの利回りがないと今は投資出来ない」ということを示しています。
つまり、キャップレートは「不動産投資への熱量」を示していると言えます。それでは、エリア別で賃貸住宅のキャップレートを見ていきましょう。
賃貸住宅(ワンルーム)のキャップレートの推移

賃貸住宅の利回りは、どのエリアでも概ねコロナ禍の影響を大きく受けることなく低下しているのが分かります。コロナ禍前の2019年4月時点から2023年4月現在のキャップレートの増減を比較するとどのエリアも0.4~0.6ポイント減少しています。特に、地方都市での下落が顕著で広島市は0.6ポイント下落しています。投資家は都市部だけではなく地方都市での賃貸住宅投資にも意欲的な姿勢を見せているのが分かります。
キャップレートの推移(左軸)と住宅地地価公示変動率(右軸・破線)の推移

上のグラフは、それぞれの都市の賃貸住宅(ワンルーム)のキャップレートで各年4月時点分を採用したものと、地価公示(毎年1月1日時点)の住宅地における平均変動率を比較したものです。
期待利回りも地価公示も、その時の世の中の状況や不動産市況を反映したものなので、両者は相反する形で推移しており、相関係数はどのエリアも負の関係となっているのが分かります。エリア別に詳細を見ると、東京の相関係数はそれほど強い数値を見せていないようです。東京区部は人口が集中しており賃貸住宅への不動産投資需要も底堅いので、ネガティブな環境に左右されにくいという状況を見ることが出来ます。
TOPICS② 首都圏マンションの管理費・修繕積立金を考察
建築年別 首都圏中古マンション管理費・修繕積立金

東日本レインズより「首都圏中古マンションの管理費・修繕積立金(2022年度)」が発表されました。
これによると、2022年度に東日本レインズを通して成約した首都圏中古マンションの月額管理費は1戸当たり平均12,480円、修繕金は11,474円で、その合計は23,954円でした。1㎡当たりの管理費は平均197円で前年度より2.9%上昇し、修繕積立金は181円で4.4%、合計値では3.6%上昇しています。
管理費は築2018年頃の物件以降で急上昇しています。マンションは共用部の照明や設備にも多くの電力が使われており、昨今の物価上昇や電気料金の上昇に大きな影響を受けていると言えます。
築年数が浅い方が修繕積立金が少くなっていますが、これは「段階増額積立方式」で積み立てている場合が多いと考えられます。この方式だと建築当初は積立金が低く設定され段階的に増えていくので、築年数が浅いと修繕積立金も低く設定されているのが理由です。
規模別 首都圏中古マンション管理費・修繕積立金

規模別に見ると、50戸未満のコンパクトマンションでは管理費が高くなっていますが、それ以上の戸数に関しては規模のメリットが働くので管理費は下がっています。
しかし、200戸以上の大規模マンションとなると設備が充実している傾向があるため、その分管理費も高くなっているようです。
同じように修繕積立金も規模のメリットがあり、50戸以上は修繕積立金が下がる傾向にあるようです。100戸以上では水準はあまり変わらないようです。
定点観測データ
Ⅰ 首都圏中古マンション流通レポート

Ⅱ 近畿圏中古マンション流通レポート

Ⅲ 中部圏中古マンション流通レポート

Ⅳ 福岡県中古マンション流通レポート

Ⅴ 貸家着工戸数
出典:国土交通省

Ⅵ 金利の推移

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