- 髙松建設不動産市況レポート
2023年2月 髙松建設不動産市況レポート
日銀の新総裁が決まり、現在の金融緩和政策が継承されそうな様相です。
これにより、REIT指数や建築・不動産系企業の株価が上昇基調にあります。マーケットでは、しばらく好景気が続くと見込んでいるようです。
TOPICS① 貸家着工戸数が回復傾向

新設貸家着工戸数はコロナ禍で2020年には減少しましたが、その期間の反動もあり2021年にV字回復し、東京都以外では2022年は更に増加しました。中でも大阪府はコロナ禍前の水準を上回り、3万5,000戸を超えるのは2006年以来となりました。

左のグラフは上図の1988年からの長期推移をストック数とし、築3年以内の物件が占める割合を示したものです。
三井住友トラスト基礎研究所が発表した「経年劣化が住宅賃料に与える影響とその理由」によると、築3年~築10年は最も賃料が下落する傾向にあると言っています。
これは築3~10年程度の比較的築浅の物件は新築マンションと競合するためです。築浅物件の家賃下落は、エリア内の競合新築物件の供給に大きく影響を受けます。その点でも、エリア内の新規貸家着工戸数を注視する必要があります。
次に右の建築主が「個人」の貸家1戸あたりの工事予定額の推移を見てみましょう。近年の建築費高騰で、貸家も工事費が上昇しています。円安やインフレなどで今後も更に上昇していくものと見られます。新しく出来た貸家は、建築費高騰の影響を受け家賃が高めに設定される可能性もあります。そうなると家賃が高い新築よりも、築3年~10年の築浅の物件にも需要が出てくることも考えられるでしょう。
TOPICS② 四大都市におけるコロナ禍の人の移動
新型コロナウィルスが蔓延して3年が過ぎようとしています。新型コロナウィルスは人の動きにも大きな影響を与えてきました。3年目である2022年の人口移動状況はどうだったのでしょうか? 総務省統計局「住民基本台帳人口移動報告」をもとに考察していきましょう。

東京23区はこれまで24年連続で転入者が転出者を上回る転入超過が続いていましたが、2021年は25年ぶりの転出超過※となり東京への一極集中が緩和されるかと思われましたが、2022年は再び転入超過※となりました。2020年の22,421人には及ばないものの、19,887人の転入超過でした。しかし、コロナ直前の2019年が70,461人でしたので、コロナ前の水準にはまだほど遠い状況です。
名古屋市は2021年に転入超過数が減少しましたが、2022年は前年から微減で転入超過を維持しています。
大阪府は、2020年はコロナ前の2019年よりも転入超過数が多かったのですが、2021年は大幅減少。2022年は若干回復傾向で、転入超過数は11,379人でした。
4大都市の中で、前年増減率の減少幅が最も少なかったのは福岡市でした。2020年以降で最も減少した2020でも減少率は-14%と他の都市ほどの影響を受けていません。2022年の転入超過数も9,712人でコロナ前の1万人には一歩及ばない状態ではありますが、ほぼ回復していると言って良さそうです。
※ 市区町村又は都道府県の転入者数から転出者数を差し引いた数。プラスの場合は転入超過、マイナスの場合は転出超過を示す。

上のグラフは、各都道府県の全転出者数から各4大都市への転入者数の割合を示したものです。どの都道府県でも青で示した東京23区ヘの転出は、大きな割合を占めています。
一方で、名古屋市や大阪市、福岡市は近隣エリアからの流入が多いのが分かります。特に福岡県は、近隣エリアからの流入の底堅さが、コロナ禍でも転入超過が大きく減少しなかった要因のひとつと言えそうです。
定点観測データ
Ⅰ 首都圏中古マンション流通レポート

Ⅱ 近畿圏中古マンション流通レポート

Ⅲ 中部圏中古マンション流通レポート

Ⅳ 福岡県中古マンション流通レポート

Ⅴ 貸家着工戸数
出典:国土交通省

Ⅵ 金利の推移

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