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2025年3月 髙松建設不動産市況レポート

長期国債金利上昇でも、固定金利融資のイールドギャップは低下?

3月18~19日の日銀金融政策決定会合では、政策金利は0.5%のまま据え置きとなりました。
この先2025年度中にも1度もしくは2度利上げが行われるとの憶測もありますが、現在の物価上昇の状況を見ているとその可能性は高そうです。 

一方で固定金利に影響のある長期国債金利(10年物国債)は、日銀の買い入れ減少に伴いこのところジワジワと上昇し、直近では1.5%台となっています。
しかし、住宅ローンや賃貸住宅建築融資(アパートローン)の固定金利は多少上がっていますが、それほどの幅ではありません。 

今回は、固定型金利の「イールドギャップ」について見てみましょう。

長期国債(10年)と賃貸住宅融資(固定金利:35年)比較

上のグラフは、2012年以降の10年物国債の金利(月末ベース)(緑色線)と賃貸住宅建築融資金利(住宅金融支援機構:固定金利、35年もの)(オレンジ色線)、そしてその差分(点線)を示しています。

これをみれば、長期国債金利は日銀の政策により大量買入れをすることで金利を抑え、特にマイナス金利政策が導入された2016年から2022年初めまでは、ほぼ0%で推移しています。
そして2022年以降は大量買入れを減らし、徐々に金利が上昇しています。

一方賃貸住宅建築融資は最も低い時で1.5%程度、そしてここ数年は長期国債金利上昇局面にある中でも上昇幅はわずかとなっています。
そのため、その差(点線)は徐々に小さくなっており、イールドギャップは1%を下回り過去15年を振り返っても最も少ない状況となっています。

こうしてみれば、2016年~2020年ごろと比較して現在の方が低金利であるといえそうです。

つまり、昨今は政策金利などは上がっていますが、固定金利は以前よりも一段と金融緩和状態にあるということになります。

定点観測データ

Ⅰ 首都圏中古マンション流通レポート

出典:(公財)東日本不動産流通機構

Ⅱ 近畿圏中古マンション流通レポート

出典:(公社)近畿圏不動産流通機構

Ⅲ 中部圏中古マンション流通レポート

出典:(公社)中部圏不動産流通機構

Ⅳ 福岡県中古マンション流通レポート

出典:(公社)西日本不動産流機構

   

Ⅴ 貸家着工戸数状況(東日本)

出典: 国土交通省

Ⅵ 貸家着工戸数状況(西日本)

出典: 国土交通省

Ⅶ 金利の推移

出典:財務省住宅金融支援機構

吉崎 誠二 Yoshizaki Seiji

不動産エコノミスト、社団法人 住宅・不動産総合研究所 理事長
早稲田大学大学院ファイナンス研究科修了。立教大学大学院 博士前期課程修了。
(株)船井総合研究所上席コンサルタント、Real Estate ビジネスチーム責任者、基礎研究チーム責任者、(株)ディーサイン取締役 不動産研究所所長 を経て現職。不動産・住宅分野におけるデータ分析、市場予測、企業向けコンサルテーションなどを行うかたわら、テレビ、ラジオのレギュラー番組に出演、また全国新聞社をはじめ主要メディアでの招聘講演は毎年年間30本を超える。

著書

「不動産サイクル理論で読み解く 不動産投資のプロフェッショナル戦術」(日本実業出版社」、「大激変 2020年の住宅・不動産市場」(朝日新聞出版)「消費マンションを買う人、資産マンションを選べる人」(青春新書)等11冊。多数の媒体に連載を持つ。

レギュラー出演

ラジオNIKKEI:「吉崎誠二のウォームアップ 840」「吉崎誠二・坂本慎太郎の至高のポートフォリオ」
テレビ番組:BS11や日経CNBCなどの多数の番組に出演

公式サイト

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