- 髙松建設不動産市況レポート
2022年11月 髙松建設不動産市況レポート
アメリカの住宅価格が少し下がりはじめました。
S&Pケースシラー住宅価格指数(20都市)を見ると、前年同月比は10%台前半のプラスですがプラス幅は縮小傾向にあり、前月比だと8・9分はマイナスとなりました。価格高騰に加えて、固定ローン金利の急上昇が要因と思われます。日本では現在のところこうしたキザシはありません。
TOPICS① 物価上昇と家賃の関係
物価の上昇が続いています。
総務省によると、9月の消費者物価指数(生鮮食品を除く総合)が前年同月比で3%上回りました。3%の上昇率は8年ぶり、消費税率引き上げの影響を除けば1991年8月以来、31年1か月ぶりの水準となります。
消費者物価指数(生鮮食品を除く総合、家賃)

生鮮食品を除く総合とは、消費者物価指数のうち、すべての対象商品によって算出される「総合指数」から生鮮食品を除いて計算された指数で、天候に左右されて振れの大きい「生鮮食品」を除くことで、物価変動の基調をみるための指標として使われており、日本型コアCPIとも呼ばれています。
まずは、コアCPIを見てみましょう。現在の物価上昇は、どのエリアでも、2014年の消費税増税と同程度の物価上昇率であるのが分かります。
次に家賃との関係を見てみましょう。家賃は一般的には価格硬直性があると言われており、大きく上下することはないとされています。実際に、コアCPIよりは安定した動きを見せています。両者の相関係数を算出すると東京は0.75、名古屋は0.73、大阪は0.70でした。物価と家賃には、一定の相関関係が見られます。

相関があるということは、物価下落時には、家賃も下落傾向になってしまうということでしょうか?ここでは、1980年~2005年までをインフレ期、2009年~2014年をデフレ期として、それぞれの期間での相関係数を算出しました。
すると、以下のような結果になりました。大阪市以外の都市は、インフレ期の方がより相関関係が高いことが分かります。大阪市は、デフレ時に家賃も下落傾向が見られるということがデータから分かりました。
TOPICS② 「買いにくい」状態が続くマンション
新築マンションと中古マンションの2021年分の年収倍率に関するデータが(株)東京カンテイから発表されました。
年収倍率とはマンション価格が年収の何倍に相当するかを算出したもので、年収倍率が低いほどマンションは買いやすく、反対に数値が高いほど買いにくいことを示しています。
新築・中古(築10年)マンション年収倍率の推移(実践:新築、点線:中古)

いずれの都市も年収倍率が、新築・中古マンションともに過去最高値にまで拡大しています。全国で見ると、新築マンションの年収倍率が前年より拡大したエリアは、25から31、中古マンションは37から39と、いずれも全国的に年収倍率の拡大が進んでいます。また、東京都に関しては新築と中古の差が縮小しており、中古マンションの上昇も顕著です。
平均年収と新築マンション価格(70㎡換算)2010年=100とした時の推移

もちろん低金利や税制の後押しなどがあるため、一概に「買いにくい」とは言えません。また、共働き世帯が多い現在は、一人当たりの平均年収をもとに算出するこちらの年収倍率では正確に「買いにくさ」を図ることが出来ません。しかし、グラフのように年収が上昇していないにも関わらず、マンション価格だけが急上昇している現在は個人年収の側面から見れば「買いにくい」と言える状態です。
このままの状態が続けば、エリアによってはマンションを買いたくても買えない、もしくは、あえて賃貸住宅を選ぶ人達が増えていくかもしれません。
定点観測データ
Ⅰ 首都圏中古マンション流通レポート

Ⅱ 近畿圏中古マンション流通レポート

Ⅲ 中部圏中古マンション流通レポート

Ⅳ 福岡県中古マンション流通レポート

Ⅴ 貸家着工戸数
出典:国土交通省

Ⅵ 金利の推移

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