- 髙松建設不動産市況レポート
2022年10月 髙松建設不動産市況レポート
10月20日に1ドル=150円を超えました。
円安というよりも、世界の為替相場を見るとドル高、ドル1強の状況となっています。
10月22日に発表された日本の消費者物価指数は前年比プラス3%となり、物価上昇が続いています。
為替相場の影響もありますが、これまでの価格上昇の抑制が解き放たれ「いまなら値上げも許されるだろう」という思惑が広がっており、この状況は続きそうです。
新築住宅着工件数を見ると、「持ち家」=注文住宅は前年比割れが続いている一方で、「貸家」=賃貸用住宅は前年比プラスが続いています。
TOPICS① 中古戸建の需給状況について
都市部での中古戸建価格の上昇が続いています。

首都圏ではコロナ禍の反動もあり2021年1月から7月まではかなり成約件数が多くなっていましたが、2021年後半からは活況が落ちつきを見せ、その後前年比でマイナスとなっています。
しかし成約件数は上昇が続いており、2020年10月以降23カ月連続で前年同期比プラスが続いています。

近畿圏も首都圏同様、2021年前半まではコロナ禍の反動で成約件数を伸ばしましたが、2021年後半からは成約件数は前年比でマイナス傾向にあります。
また、成約価格は首都圏同様、上昇が続いています。
ここで需給関係を見るために新規登録状況を「供給」、成約状況を「需要」であると想定し、「成約倍率」と「価格乖離率」から需給関係の変化を見ていきましょう。

成約倍率は新規登録件数÷成約件数で算出し、当月の成約件数に対して新規登録の件数がどれだけあったかを示します。件数倍率が縮小傾向にあるということは、供給量に対して需要が満たされた物件が多いことを示します。
成約価格と新規登録価格の価格乖離率は成約価格÷新規登録価格-1で算出します。黄色で示した推移が価格乖離率で、乖離率が小さいほど売り手の希望に近い価格で成約する傾向が高い。つまり、需給関係がタイトにあると言えます。
首都圏と近畿圏の中古戸建は2021年から需給がタイトな状況にあるということがデータから見て取ることが出来ます。
しかし首都圏では成約件数の減少傾向が響いており、若干需給緩和への圧力となっている状況も見られるので、注意して見ていく必要がありそうです。
TOPICS② 「住宅価格」と「売却までの期間」の関係
物件が売り出されてから、成約されるまでの期間はいったいどれくらいなのでしょうか?
今回は、東日本レインズの年間統計をもとに見ていきたいと思います。

物件種別では2011年からの平均日数は中古マンションが75.3日、新築戸建が72.6日と同水準、中古戸建が93.1日と、前者に比べると長期化傾向があるようです。戸建は個別性が高いため、同じ中古でも大衆性が高いマンションよりも流動性が低くなっています。
また、いずれも近年は長期化傾向にありましたが2021年はすべて短縮化しており、特に新築戸建は前年比ー26.9%と大幅に短縮化されました。コロナ禍によるテレワークの浸透で快適な住環境への需要が旺盛となり、新築戸建ての成約日数を短縮化したことが一因と言えそうです。
さて、この成約までの日数ですが、成約状況と関係性はどうでしょうか?
下の表は2011年から2021年の中古マンションにおける成約件数、成約㎡単価、新規登録件数、新規登録㎡単価それぞれの推移と成約までの日数の推移の相関係数を表しています。中古マンションにおける2011年からのデータでは、いずれの指標とも高い相関関係を示すものはありませんでした。

次に、成約価格の新規登録価格からの乖離率と比較してみます。

相関係数は0.6と高い数値となっています。成約までの日数が短いほど需給関係が逼迫していて、売り手が優位な価格で成約するかと言えば必ずしもそうではなく、むしろ新規登録価格からは乖離しているということがデータからは考察できます。
売り手としては「早く」「高く」というのが理想ですが、売却時には優先順位を付けた売買を意識することが重要なようです。
定点観測データ
Ⅰ 首都圏中古マンション流通レポート

Ⅱ 近畿圏中古マンション流通レポート

Ⅲ 中部圏中古マンション流通レポート

Ⅳ 貸家着工戸数
出典:国土交通省

Ⅴ 金利の推移

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