• トレンド
  • 賃貸住宅経営の基礎知識

コンパクトマンションの建築地の変遷 ~増える郊外の賃貸住宅~

投資用のマンション、主に区分所有権として発売される単身あるいはDINKS用物件の供給エリアは、首都圏においては東京都心の23区内が中心でした。
しかし、都区内でのマンション適地不足や地価高騰、建築費の高騰などから都区内での供給が減少しています。

加えて、晩婚化・未婚化が進み比較的40代以上の単身者が増加していることや、子供を持たない夫婦世帯が増えていること、シニア夫婦世帯が増えていることなどから、比較的若年層向けのワンルームタイプ物件(30㎡以下)だけでなく、もう少し広めのコンパクトタイプ(30~50㎡未満)の物件が増加しています。

このコンパクトマンション市場は、近年では都区部での供給が減り、23区外の周辺近隣エリアへの広がりが見られるようになっています。
特に、神奈川県の川崎市や横浜市など東京と接する都市でも供給が増えており、マーケットは徐々に広域化しています。

2019年から5年間の首都圏コンパクトタイプ供給エリアの変遷

下の図は、株式会社不動産経済研究所が調査している「首都圏・近畿圏コンパクトマンション供給動向」の資料をもとに作成したものです。(最新の2024年年間分は2025年4月10日公表)

首都圏コンパクトマンション市区別上位10エリア、過去5年の変遷

2024年年間の首都圏のマンション供給数は23,003戸。うちコンパクトマンションは262戸で11.5%となっています。
2023年は3,617戸(13.5%)と比べると戸数・シェアともに減少しています。

ただ、シェアは過去に比べると増えており、2019年までは1ケタ台でしたが、2020年以降は10%を超え続けています。
ちなみに、東京都だけに絞れば14.5%のシェアとなっています。

マンション価格高騰で総額を抑えるためにデベロッパーが比較的狭い物件を供給していることが大きな要因と思われますが、それも需要があってのことですから、冒頭で述べたように、このサイズ(広さ)のマンション需要が高まっていることは間違いないでしょう。

コンパクトマンション供給エリアの広がり

2019年以降の首都圏における供給地の変遷をみれば、都心中心区から徐々に都区内の周辺部へ、そして2023年以降は上位の大半を都区部外が占めるようになっていることがわかります。

コンパクトマンションを含めて分譲マンション全体に言えることですが、地価の上昇により都区部での新規供給が難しくなっています。
その一方で、同様のニーズを持つ層が郊外にも広がっていることの現れとも言えます。

今後さらに供給エリアが拡大していく可能性がある一方で、都区部におけるコンパクトマンションの希少性が高まり、価格面や競争力の面でも注目される局面が訪れるかもしれません。

供給戸数が減少傾向にあるとはいえ、コンパクトマンションが都市生活者にとって依然として有効な選択肢であることに変わりはありません。

ライフスタイルの多様化、働き方の変化、そして不動産市場が変化する中で、今後も新たな需要が生まれてくると考えられます。

郊外での賃貸住宅建築も有効

これまでの賃貸住宅経営では、「都市部(中心市街地)の駅近物件」が投資家にとって魅力ある物件でした。首都圏では都区部内の駅近立地ということになります。

地価上昇や建築費上昇が続いている中では、今後の賃貸住宅における物件選びの目線を変えてみることを考えていいかもしれません。

所有する遊休地がこのような中心地にあれば別ですが、そもそも新たに購入する賃貸住宅用地は少なく、あってもかなり高額となり期待利回りは低くなります。

依然として都市部での賃貸住宅建築適地、土地活用検討用地はかなり少ない状況が続いており、これまで以上に地方や郊外に収益不動産の投資(=建築)の範囲は広がるでしょう。

賃貸住宅経営においては「需要が多い駅近立地」は魅力ですが、「魅力的な賃貸住宅」は世帯構成や家族の年齢、ライフスタイルにより変わります。
学校や病院、商業施設など近隣に必要な施設や環境もそれぞれで、求める間取り、外観デザイン、設備も変わってきます。

例えば、1棟10部屋の物件ならば、その10部屋が満室ならば良いわけなので、「多くの人に魅力的な物件」である必要はありません。

該当地には「どんなエリア特性があるのか」を適切に判断したうえで「どんな方々に住んでもらうか」をイメージし、そのイメージに合う物件ならば入居者付けに困ることは少ないと思います。

髙松建設では、郊外立地における賃貸住宅建築も多数手がけています。
ぜひ一度相談してみるといいでしょう。

吉崎 誠二 Yoshizaki Seiji

不動産エコノミスト、社団法人 住宅・不動産総合研究所 理事長
早稲田大学大学院ファイナンス研究科修了。立教大学大学院 博士前期課程修了。
(株)船井総合研究所上席コンサルタント、Real Estate ビジネスチーム責任者、基礎研究チーム責任者、(株)ディーサイン取締役 不動産研究所所長 を経て現職。不動産・住宅分野におけるデータ分析、市場予測、企業向けコンサルテーションなどを行うかたわら、テレビ、ラジオのレギュラー番組に出演、また全国新聞社をはじめ主要メディアでの招聘講演は毎年年間30本を超える。

著書

「不動産サイクル理論で読み解く 不動産投資のプロフェッショナル戦術」(日本実業出版社」、「大激変 2020年の住宅・不動産市場」(朝日新聞出版)「消費マンションを買う人、資産マンションを選べる人」(青春新書)等11冊。多数の媒体に連載を持つ。

レギュラー出演

ラジオNIKKEI:「吉崎誠二のウォームアップ 840」「吉崎誠二・坂本慎太郎の至高のポートフォリオ」
テレビ番組:BS11や日経CNBCなどの多数の番組に出演

公式サイト

  • #マンション建設
  • #賃貸住宅建築適地
  • #土地活用検討用地
  • #コンパクトマンション供給動向
  • #ワンルーム
  • #DINKS
  • #住宅地地価
  • #コンパクトマンション
  • #賃貸マンション
  • #マンション価格高騰
  • #投資用マンション
  • #収益不動産
  • #首都圏
  • #地価上昇
  • #土地活用
  • #髙松建設