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2022年9月 髙松建設不動産市況レポート

22年分の基準地価が9月20日に発表されました。住宅地(全国)が31年ぶりにプラスになり、大きな話題となりました。都市部の地価上昇が、新型コロナウイルスの影響で一時的に停滞しましたが、再び鮮明に上昇基調となっています。
そして、その流れは地方にも波及していることが31年ぶりのプラスに繋がったものと思われます。商業地も観光需要回復のキザシが見え、概ね回復しています。

TOPICS① 人口動態と賃貸住宅の間取りの関係

国立社会保障・人口問題研究所が9月9日、第16回出生動向基本調査(結婚と出産に関する全国調査)の結果を発表し、その内容がメディアでも話題になりました。本調査によると「一生結婚するつもりはない」と答えた人の割合は2000年代に入ってから増加が続いていて、男性で17.3%、女性で14.6%と、男女ともに過去最高となっています。

未婚者の生涯の結婚意思

「いずれ結婚するつもり」の減少傾向も、「一生結婚するつもりはない」の増加傾向も、男女ともに2015年調査から一気に上昇しているようです。コロナ禍を経て、男女とも少子化の要因になっている未婚化・非婚化志向が一層加速していることがうかがえます。
未婚化や少子化は、住宅や不動産市場にも密接に関係しています。

表1 国立社会保障・人口問題研究所「第16回出生動向基本調査」より作成

タイプ別 民営賃貸住宅の割合(全国)

5年に1度全国規模で実施される「住宅・土地統計調査結果」では、「台所の型」という分類があり、以下のように分かれています。

(1) 独立の台所(K)
(2) 食事室兼用(DK)
(3) 食事室・居間兼用(LDK・LK)
(4) その他と兼用

平成30年調査結果(2022年10月現在の最新データ)より、前述の定義と居室の数を含めてデータを集計すると、表2のような割合でタイプ別に分かれました。全国的にはやはりワンルームが最も多く、4室に1室という割合です。また、単身世帯用として「1LDK」まで含めると53%となり、半数を占めていることが分かります。

建築の時期別 間取りタイプの変遷

表3 総務省統計局「H30年住宅・土地統計調査結果」より作成

表3は建築の時期別で民営賃貸住宅における間取りタイプ別の割合を見たグラフです。
建築年が1990年代の物件から、赤色で示したワンルームの数が増えているのが一目瞭然です。核家族化や晩婚化が進むにつれて、単身者向けが増加した模様です。また、日本全体の所得水準も高くなるにつれて、より豊かでゆとりのある住環境が提供されるようにもなりました。特に間取りの面では、従来のダイニングキッチンにリビングも備えた「LDK」が登場し、普及し始めます。
時代とともに、間取りのトレンドが変化していく様子がうかがえました。

TOPICS② 2022年基準地価発表!住宅地は31年振りの上昇。商業地は全地点のうち41%で上昇。

9月20日、国土交通省がまとめた2022年の地価調査(基準地価)が発表されました。全国の全用途平均は3年振りの上昇、住宅地が31年振りの上昇となったほか、商業地は全国の調査地点のうち41%が上昇しました。

基準地価は土地を売買するときの目安となる価格で、都道府県が不動産鑑定士の評価を踏まえて毎年7月1日時点の価格を調査し、国土交通省が集計して毎年9月に公表します。3月に公表する地価公示とは調査地点が市街地が中心となっている点で若干違いがあり、1月1日時点の価格である地価公示から半年後の価格ということで、2つを比較することで価格の推移を掴みやすくなります。今回は、基準地価と公示地価二つの推移を繋げて、地価全体の推移を見ていきたいと思います。

地価公示と基準地価の変動率推移(東京圏)

東京圏の基準地価は、住宅地が2年連続で上昇、商業地は10年連続で上昇となり(グラフでマイナスとなっているのは2021年地価公示)、その上昇幅も昨年の+0.1%から+1.2%に拡大しました。
コロナ禍で訪日外国人客が減少した東京銀座エリアがある中央区は下落から横ばいに転じるなど、公示地価では下落が目立った繁華街も基準地価では回復傾向が見られており、来年の令和5年地価公示では更なる回復が見られそうです。

地価公示と基準地価の変動率推移(大阪圏)

大阪圏における基準地価は、住宅地は+0.4%で3年振りに上昇、商業地は前年の-0.6%から+1.5%と上昇に転じました。
住宅地に関してはコロナ禍前の水準にまで戻って来てはいますが、商業地はインバウンド需要が旺盛だったコロナ禍前の2020年1月時点の地価公示の上昇率が6.9%だったので、回復という段階には至っていないのが実情と言えます。

地価公示と基準地価の変動率推移(名古屋圏)

名古屋圏の基準地価は、住宅地で+1.3%、商業地は+2.3%と、三大都市圏で最も上昇率が高い結果となりました。名古屋圏は東京圏や大阪圏よりもインバウンドの影響を受けにくかったこともあり、もともと地価への影響が少なかったので回復ペースも早いようです。
また、住宅地に関してはコロナ禍以前よりも高水準となり、コロナ禍を経て住宅需要が増していることを反映する結果となりました。

定点観測データ

Ⅰ 首都圏中古マンション流通レポート

Ⅱ 近畿圏中古マンション流通レポート

Ⅲ 中部圏中古マンション流通レポート

Ⅳ 貸家着工戸数

Ⅴ 金利の推移

吉崎 誠二 Yoshizaki Seiji

不動産エコノミスト、社団法人 住宅・不動産総合研究所 理事長
早稲田大学大学院ファイナンス研究科修了。立教大学大学院 博士前期課程修了。
(株)船井総合研究所上席コンサルタント、Real Estate ビジネスチーム責任者、基礎研究チーム責任者、(株)ディーサイン取締役 不動産研究所所長 を経て現職。不動産・住宅分野におけるデータ分析、市場予測、企業向けコンサルテーションなどを行うかたわら、テレビ、ラジオのレギュラー番組に出演、また全国新聞社をはじめ主要メディアでの招聘講演は毎年年間30本を超える。

著書

「不動産サイクル理論で読み解く 不動産投資のプロフェッショナル戦術」(日本実業出版社」、「大激変 2020年の住宅・不動産市場」(朝日新聞出版)「消費マンションを買う人、資産マンションを選べる人」(青春新書)等11冊。多数の媒体に連載を持つ。

レギュラー出演

ラジオNIKKEI:「吉崎誠二のウォームアップ 840」「吉崎誠二・坂本慎太郎の至高のポートフォリオ」
テレビ番組:BS11や日経CNBCなどの多数の番組に出演

公式サイト

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