ヒャクからのさらなるヒヤクを目指す松建設のお役立ちコンテンツ 建築・土地活用ガイド

賃貸住宅の現在

2017/12/29

マンションの計画段階で検討したい防犯設計

マンションなどの賃貸経営を行うことは、月々の安定した家賃収入を確保できることを意味します。しかし、そうした安定は入居してくれる方々がいて初めて成り立つものであり、マンションに住まう人たちの身の安全を確保することは、オーナーとして今も昔も欠かせない責務です。マンションなどの共同住宅における防犯対策は、計画段階で検討しておいたほうが後々に増設するよりも手間もかかりません。まずは防犯対策の現状を知ることから始めてみましょう。

賃貸経営において不可欠な建物の安全性の確保

マンションの場合、戸数が多い建物でもエントランスは通常1ヶ所なので防犯対策もしやすいと考えがちです。しかし、不特定多数の人が出入りするため、不審者を完全にチェックするのは困難であり、侵入の恐れは常につきまといます。集合住宅の場合は隣近所との付き合いも少ないことが多く、隣人による監視も期待できません。「高層階だから安心」と考える人もいますが、そうした“心の隙”もあって窃盗、侵入などの犯罪が発生しやすい環境と言えます。

たとえば、エントランスのオートロックに頼りきって部屋のドアを施錠しないでいたために侵入されたケース、ピッキングなど1つの手口への対策をとっていたものの窓から侵入されたケースなど、対策を講じていなかった手口で侵入されるパターンがあります。子どもや女性を狙った凶悪犯罪も発生していることから、マンション経営においても犯罪そのものが発生しにくい「防犯設計」を採用することが、入居者を守るうえで一番の近道と言えるでしょう。

「防犯設計」とは、地域でどんな犯罪が行われやすいのかを把握したうえで、必要に応じて住宅の防犯性能を高める工夫を取り入れた設計のことを指します。防犯設計に加え、日常の生活習慣で犯罪者に狙われやすい行為をなくすことで、犯罪の発生を最小限に抑えることができると考えられます。売れ残っていた物件が防犯対策を強化したことで完売したという事例もあり、マンションオーナーにとっても看過できない課題であることは間違いありません。


進歩を続けるマンションの防犯対策

マンションの防犯設計にはさまざまなものがありますが、1つの全国統一基準として、警察庁および国土交通省が策定した「共同住宅の防犯上の留意事項」・「防犯に配慮した共同住宅の設計指針」に準じた「防犯優良マンション標準設定基準」が設けられています。これは、「共用玄関のオートロック導入」「各住戸の玄関は2ロックを基準にする」など、建物の設備面を強化して侵入防止を図るためのガイドラインです。

「防犯優良マンション」と認定されるには、エレベーターへの防犯カメラ設置などの条件も含まれますが、防犯優良マンション設計における防犯カメラのチェックポイントは全部で5つあります。

【防犯優良マンション設計における防犯カメラの5つのポイント】

  1. 屋外での監視には防犯カメラの「照度(明るさ)」を確保する
  2. 屋内の共用玄関扉などでは逆光に強く、死角の少ない広角タイプカメラを設置する
  3. 目的と場所に応じて、適切な位置に適切な画角でカメラを設置する
  4. プライバシーのトラブルの可能性が高い駐車場ではマスキング機能を持つカメラを設置する
  5. 最適な録画画質を選択することで長時間の記録を可能にする

この「防犯優良マンション認定制度」を実施するために、警察庁は全国に防犯協会を設立するとともに、防犯整備士や総合防犯整備士の育成に注力。マンションに防犯性を求める消費者が増えているなか、防犯対策は日々強化され、進歩を遂げています。


計画段階から防犯設備を含んだ建物の検討を

マンションなどの賃貸経営において、防犯対策は住まう人の安全を守るうえで重要なウエイトを占めます。そして、マンションのセキュリティ対策を行うことは住民の方の安心・安全の確保や防犯意識の向上につながります。マンション自体のイメージアップや入居率の向上など、オーナーにとってもメリットが多いと言えるでしょう。

後から対策に講じるのは手間であり、費用も余計にかかります。さらに建物は経年劣化するので、修繕費などほかの費用も多くかかるなかで、防犯対策も強化するというのは非常に難しい話です。そのため、マンション建築を計画している段階で防犯設計を取り入れることをおすすめします。住民の方々の安心した生活のためにも、トラブルが起きてからではなく建てる前から防犯を意識するようにしましょう。


建築・土地活用ガイド一覧へ