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不動産の基礎知識

2018/07/30

実家が空家になった際の土地活用法とは

少子高齢化、人口減少が進む昨今の日本では、空家の増加傾向が顕著になり、深刻な社会問題となっています。ただ、そこが田舎や遠方ならともかく、実家が都市部にあるのであれば、やり方次第では土地や建物を有効活用する道も残されています。「住む予定がないから」と空家のまま放置しておいては、税金やら経費やらお金が出ていくばかりです。急に相続する事態に陥った場合、非常に困ることになるので、空家になった際の土地活用法をあらかじめ知っておきましょう。

地主の子息が考えておくべき実家の相続

実家が親御さんの所有されている土地・建物なら当然のことですが、そのお子さんはいずれ相続を意識することになります。たとえ、今はご両親ともに健在でも、老後の暮らしを営んでいる身であることを考えれば、遅かれ早かれその時は訪れるでしょう。もし、それが急なことであったような場合、何の準備も心構えもなければ、相続や土地活用といった複雑な対応をするのは極めて困難です。

親が万が一の事態に備えて遺言を作成してくれていれば問題ありませんが、そうでない場合は財産分与などで家族との調整に時間がかかったり、最悪の場合は揉め事に発展したりして交渉が長期化する恐れもあります。そうすると、実家は住人がいない空家の状態が長く続くでしょう。人が住んでいない状態でも固定資産税などの税金がかかり、無駄な費用がかさみます。

また、両親が亡くなった場合以外でも、病気やケガで寝たきりになったり、認知症にでもなったりすれば、そのまま施設に入所というケースも考えられます。そうすると実家が空家になり、住人不在の状態をどのように有効活用すべきかが必ず問われるようになるでしょう。そのため、その時が来てから考えるのではなく、将来を予見して事前準備することが望まれます。


空家のまま実家を放置することのリスクとは

何の管理もせず実家を空家のまま放置すると建物の傷みが加速し、維持するには修繕やリフォームに余計な費用がかかります。また、倒壊の恐れや防犯上・衛生上の問題、景観を損なうといったリスクが懸念されるようであれば、空家対策特別措置法に基づいて「特定空家」に指定される恐れもあります。こうなると更地と同様、通常の6倍の固定資産税が課されるので要注意です。

もちろん固定資産税の問題だけではありません。管理の行き届いていない空家は、放火や犯罪の発生、不法投棄、景観の悪化といったトラブルを招いて地域社会に悪影響を与えかねません。さらに建物の老朽化が進めば、倒壊などで第三者に危害を及ぼす恐れもあります。もしそうなれば、補償問題に発展することもあるでしょう。仮に最悪の事態とならなくても、管轄の自治体から解体・撤去を指導され、従わなければ強制執行となり、しかも工事費用は所有者の負担となることも考えられるのです。

そして、もう1つ注意すべきが相続税です。平成27年から相続税の基礎控除額が下がり、実質増税となりました。つまり、これまで資産総額から相続税の課税対象にならなかった場合でも、対象となるケースも出てきました。たとえば、相続税の基礎控除額は<3,000万円 + 600 万円 × 法定相続人の数>で計算されるので、法定相続人が3人なら非課税枠は4,800万円までということになります。もし、都市部に実家がある場合、土地建物を含めて評価額が課税対象範囲内になることも珍しくないでしょう。


土地活用・売却を含めた将来の計画を

空家を活用せずに放置することは、コストとリスクの両面から決して得策とは言えません。そのため、売却という選択肢も浮上するでしょう。ただし、建物や土地などの不動産を売ったことで得られた売却益には「譲渡所得税」、それに伴う「住民税」、さらに譲渡所得税に対して2.1%の「復興特別所得税」がかかります(平成49年まで)。つまり、トータルで20.315%もの税金が課されることになるわけです。

たとえば、古くなった建物には値はつかないものの、土地は都市部にあれば購入当時より高く売れることもあるでしょう。それで1,000万円でも売却益が出れば、そのうち約200万円が税金で取られます。ただし、相続した年から一定の期間内に売却すれば、譲渡所得から3,000万円を特別控除として差し引くことができるという「空家に係る譲渡所得の特別控除の特例」もあるので、これを利用すれば、税額の大幅軽減も可能です。

このほか、生前に実家を賃貸併用住宅に建て替えることも有効だと言えます。建物の賃貸割合に応じて、敷地の評価額が200uまで50%減額でき、相続税の課税対象額を減らすことができるからです。活用法がいくつかありますが、実家の今後については、親が健在のうちに検討しておくことが望まれます。そのため、土地活用の詳細や各種特例などの優遇措置利用に関しては、その道の専門家に早い段階で相談することをおすすめします。


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