ヒャクからのさらなるヒヤクを目指す松建設のお役立ちコンテンツ 建築・土地活用ガイド

不動産の基礎知識

2018/06/11

有効活用が見込まれる都市部の社宅・寮

東京や大阪を中心とした都市部には、老朽化して入居者が減少した企業や金融機関の社宅・寮が数多く存在します。住宅、店舗、オフィスなどが集中するため、有効な土地活用が求められる都市部では、法人の福利厚生施設である社宅・寮もその土地に見合った活用方法を見直す必要があるかもしれません。既存の状態を維持するのではなく、土地活用を検討することで企業や金融機関にとってどのようなメリットがあるのでしょうか。その可能性に迫ります。

都市部の寮や社宅は減少・廃止の傾向に

民間調査機関の財団法人労務行政研究所によると、バブル好況に沸いた1990年代の日本では各企業が社宅・寮の充実を図っており、社有社宅の保有率は7割に達しました。終身雇用が当たり前の時代では、そうした社員の福利厚生を充実させるための施設が多く建てられました。しかし、バブル崩壊からの平成大不況の時代を経て統合・廃止の傾向になり、2008年の調査時点では保有率は36.3%にまで減少。大幅な縮小路線となりました。

この傾向は現在においても歯止めがかかっておらず、同調査によると社宅・寮を保有する企業のうちの3割が今後の減少・廃止を示唆しており、90年代に建築ラッシュを迎え、多くの企業が保有していた社有社宅ブームは衰退の一途を辿っています。

社宅・寮は使用料が民間の賃貸物件に比べて格段に安い点が大きなメリットであり、特に独身や子育て世代などの若手層にとっては受ける恩恵は小さくありません。しかし、以前に建てられた社宅・寮の老朽化が進んでいることもあり、そうした一時代前の社宅・寮があまり好まれなくなる傾向が強くなってきました。また、プライベートを重視する現代においては、勤務時間外で会社の人と会う可能性のある社宅・寮を敬遠する方も増えているそうです。


立地の良さを活かした土地活用が必要

社宅・寮は社員の生活を充実させるための福利厚生施設であるだけに、利用者が少ない状況では宝の持ち腐れと言えます。それどころか、空室が多く非効率な物件になっている場合は、維持費だけがかさみ、企業にとっての不良債権にもなりかねないのです。そのため、特に土地としての利用価値が高い東京や大阪などの都市部にある社宅・寮は、有効的な土地活用を検討すべきでしょう。

土地活用の手段としては、建替や売却などの方法が挙げられますが、立地の良さを活かしたアイディアに基づく土地活用を行うことが重要です。たとえば、閑静な住宅地に構える社宅・寮の場合は、住宅としての需要が見込まれます。そのため、既存の建物の建替やリノベーションを行うことで、トレンドを重視した若者ウケする賃貸住宅に変貌させることもできるでしょう。

また、都市部の商業地区の近くの人気エリアなどであれば住宅ではなくオフィスビルを建築し、ショップなどのテナントを入れつつ、企業の誘致をすることも可能です。空室が多いまま休眠住宅となってしまった社宅・寮をそのまま放置するくらいであれば、その土地のポテンシャルを十分に見極めたうえで、売却したり、賃貸住宅やオフィスビルを建築したりすることでの有効活用が求められるでしょう。


有効活用のためにアイディアを絞ることが大切

また、社宅・寮として継続して活用する場合も、以前までの老朽化した状態ではなく、時代に合わせた設備とすることが重要です。たとえば、近年では多発する地震などの自然災害に対応するために、企業の災害拠点を併設した先進的な社宅も登場してきています。社宅・寮が時代に合っていないというわけではなく、現在のスタイルに合った在り方を考えたうえで建物を建築、またはリニューアルすることが重要になります。

土地のポテンシャルを活かし切れていない社宅・寮の多くは都市部にあるだけに、うまく活用できていない場合は、まずはその用途を見直すことが大切です。立地の良さを活かしてマンションなどの賃貸不動産として活用したり、あるいは先進的な社宅・寮へのリニューアルをしたり、または思い切って売却したりするなど、土地の価値を最大限に活かした運用が鍵となってきます。

老朽化した状態のままで入居者が減少し、本来の存在価値を発揮できていない社宅・寮は数多く存在します。しかし、人手不足の対策として福利厚生の充実を図り、社宅・寮の新築や建替を検討している企業も依然としてあるだけに、ニーズを意識した土地活用が重要なことは言うまでもありません。社宅・寮の有効活用が実現できれば、おのずと社員の住環境も整備でき、人材が集まりやすくなることで、事業活動もより活況を呈するはずです。


建築・土地活用ガイド一覧へ