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オフィス建築戦略

2018/04/02

オフィス仕様の室内スペース完備の物流倉庫

物を保管することが目的だった物流倉庫ですが、近年ではきれいで先進的なオフィスを兼用するタイプがよく見られるようになりました。また、倉庫自体をうまく活用して倉庫内にオフィス街を築く企業も急増しています。「倉庫=物置き」から「倉庫機能+オフィス=ビジネス拠点」のように取り巻くトレンドも大きく変わりつつあります。オフィス仕様の室内スペース完備の物流倉庫が増加することによって、社会においてどのような影響を与えるのでしょうか。

増加する物流倉庫とオシャレオフィスの兼用型

物流倉庫におけるオフィス兼用、オフィス利用をする企業が日本においても増えています。一見すると「なぜ倉庫にオフィスが?」と考える方が大半かもしれませんが、倉庫はもはやただの物置ではなく物流の起点になりつつあります。そのため、製品を販売することで収益を得ている企業であれば、製品の保管場所である倉庫が新たなアイディアを生む“ビジネスの拠点”になり得ることは想像に難くないでしょう。

世界に大きな革新をもたらすベンチャー企業を次々と輩出しているアメリカでは、一昔前から倉庫がビジネスの拠点になるという多くの事例が存在します。Google、Apple、Amazon、Airbnbなど誰もが知っているような大企業においても実はビジネスの始まりは倉庫から発展していったことをご存知でしょうか。海外ではそうした倉庫から起業することを「ガレージベンチャー」と呼び、一種のステータスとなっているようです。

日本にはアメリカのシリコンバレーのようなガレージベンチャーを多く輩出するような“聖地”的な場所は存在しませんが、東京・品川にも2017年4月にニュー倉庫街「Re-SOHKO」がオープンしました。大規模リノベーションによって倉庫を起業家やクリエイターがオフィスや共用スペースとして使える施設に様変わりしたことによって新しいビジネスモデルが生まれています。こうした新しい動きを見ると日本においてもガレージベンチャーとして名を馳せる企業が出現するのも時間の問題かもしれません。


物流倉庫のオフィス化は現代におけるトレンド

前述した品川の「Re-SOHKO」やかつての“ジュリアナ東京”が入居していた大型倉庫ビルの8階部分を大型リノベーションした「co-ba Re-SOHKO」などを筆頭に、日本でも物流倉庫のオフィス化が1つのトレンドになりつつあります。そうした流れに乗る大企業の最たる例は、ユニクロブランドで有名なファーストリテイリングです。

ファーストリテイリングは、2017年2月に東京・有明に大型のオフィス兼物流拠点を開設。それに伴い商品の企画・生産、物流に加えて社員の働き方まで改革する「有明プロジェクト」の概要を発表しました。次々と新しい技術が開発されるITを活用し、ユニクロブランドを中心に製品づくりから仕事の関わり方までをすべて見直すことにより、不良在庫となっている製品を一掃することを目指しています。まさに製品を取り扱う現場と企業の意思決定を担うトップが一体化したオフィスとなっています。

物流倉庫には企業の収益を担う製品が保管されています。「アイディアは現場から」という言葉がよく聞かれるように、現場の声をいち早く拾って新たなビジネスモデルに変換するためにも物流倉庫のオフィス化による企業拠点の一元化は大きな意味を持つのです。今後は1トレンドから“企業におけるスタンダード”となることも考えられます。


ビジネスモデルに合わせた建物機能が必要な時代に

ファーストリテイリングの事例のように企業機能を大型のオフィス兼物流拠点に集約するということは、多くの企業が真似できることではありませんが、それぞれの企業が自社のビジネスモデルに合わせて必要な建物機能を備えることは今後重要になるでしょう。つまり、オフィスビルや物流拠点、支社や倉庫など各セクションを明確に切り分ける考え方は、今後は時代遅れになってしまうことも十分に考えられます。

「本社オフィスは都市部のビルの一角に」という考え方は、今後はメジャーではなくなるかもしれません。近年では大きく成長する企業こそ既存の建物をうまく利用して、アイディア性の高い建物で働いていますし、建物の効率利用の巧みさが光ります。今後、新たな社屋の建築や既存のオフィスのリニューアルをご検討中でしたら、そうした既存の型にとらわれないような建物をイメージしてみるのもいいかもしれません。それが企業のさらなる成長に寄与する可能性があるでしょう。


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