建物・土地活用ガイド

2022/02/24

老朽化した建物を保有する企業の悩みと解決策

老朽化した建物でビジネスを行っている企業においては、その建物をどうするかという悩みが付きまといます。耐震性の問題だけでなく、従業員のモチベーション低下やリクルーティングでのネガティブ要因にもなり、また取引先へのイメージ低下ということにもなりかねません。そのため、何か手を打ちたいと考えても、日常業務がある中で推進することになりますので、なかなか進まないものです。

老朽化した建物をどうするか?

「企業がビジネスで利用している老朽化した自社所有の建物をどうするか」は、かなり大きな問題です。2000年以降に創業した企業は、「持たざる経営」を進める企業も多いですが、バブル崩壊以前に創業した企業の多くは、創業して業績が向上すれば自社ビルや自社工場や倉庫を建設していました。バブル崩壊から30年が過ぎ、1970年代、80年代に建てられたこのような企業の自社所有建物の老朽化問題は、あちこちで見かけます。
こうしたことは、企業にとって数十年に一度あるかどうか、ある意味一大事と言えます。これは、ほとんどの社員にとって、例えば移転担当者になったとして、社内の誰も経験した方がいない状況というわけです。

主な選択肢は、以下のとおりです。

A:老朽化した建物をメンテナンスしながら継続利用する
  → 自社利用
  → 他社へ賃貸

B:建て替える
  → 全て自社利用
  → 自社利用+一部賃貸

C:売却する(土地を含めて)
  → 自社所有の移転先へ
  → 賃貸で移転先へ

ざっと挙げると6パターンほどです。

経営環境の変化による不動産活用の見直し

A・B・Cとも松建設では多くの実例がありますが、ここでは最も面倒なCについて解説しましょう。
移転しづらい理由は、企業により様々ですが、主に「ビジネス上の問題」と「専門家不在」という2つが代表的です(資金的に難しい、という理由を除く)。
よく見かけるのは、立地条件に成約があるケースです。交通アクセスの問題、取引先との距離の問題、あるいは土地や建物の利用方法の問題、地方で多いのが駐車スペースの確保できるかという問題等、ビジネス上問題がよく聞かれます。

また、移転先候補が見つからない、見つけ方が分からない、売却先を見つけられない、という専門アドバイザーとの接点があれば道筋がつけられそうなものも多いようです。同様に社内に適切な担当者がいないということも多く、こうしたことは普段から松建設のような専門業者とのお付き合いがあれば比較的解決しやすいことと思われます。

老朽化が気になりだしたら、すべきこと

継続利用するか、移転するか、建て替えるか、が主な選択肢となりますが、いずれにしても、事業を行いながらとなりますので、周到な準備が必要です。そのため、老朽化のとりあえずの対応として修繕(耐震対応など含む)費用の見積もりを取るだけでなく、併せて移転先探しをはじめたり、新たな建物を建てる構想やプラン設計を行ったり、売却した際の売却価格の査定をしたり等を行うといいでしょう。

そしてなによりも、その際のパートナー企業選びを事前にしておきましょう。

信頼できるパートナー選び

パートナー企業選びは、以下の4点に着目して選ぶと良いかと思います。

@ 適切な問題解決ができるか。
A 不動産流通(売買)専業ではなく、総合的な建築や不動産アドバイスができるか。
B 関わった事例が多いか
C 長期パートナーになるべく、例えば30年先にも存在している企業か。

加えて、パートナーとなるのが個人ではなく会社ですので、人間関係だけでなく会社の信頼性を見定める必要があります。

また、パートナー企業選びは、仮に老朽化の問題がすぐに顕在化する段階からではなく、今すぐ何かをする必要があるかどうかにかかわらず、適切なパートナー企業とつながっておくことが重要ですので、早い段階から付き合いを進めておく方がよいでしょう。

吉崎 誠二 Yoshizaki Seiji

不動産エコノミスト、社団法人 住宅・不動産総合研究所 理事長
早稲田大学大学院ファイナンス研究科修了。立教大学大学院 博士前期課程修了。
(株)船井総合研究所上席コンサルタント、Real Estate ビジネスチーム責任者、基礎研究チーム責任者、(株)ディーサイン取締役 不動産研究所所長 を経て現職。不動産・住宅分野におけるデータ分析、市場予測、企業向けコンサルテーションなどを行うかたわら、テレビ、ラジオのレギュラー番組に出演、また全国新聞社をはじめ主要メディアでの招聘講演は毎年年間30本を超える。
著書
「不動産サイクル理論で読み解く 不動産投資のプロフェッショナル戦術」(日本実業出版社」、「大激変 2020年の住宅・不動産市場」(朝日新聞出版)「消費マンションを買う人、資産マンションを選べる人」(青春新書)等11冊。多数の媒体に連載を持つ。
レギュラー出演
ラジオNIKKEI:「吉崎誠二のウォームアップ 840」「吉崎誠二・坂本慎太郎の至高のポートフォリオ」
テレビ番組:BS11や日経CNBCなどの多数の番組に出演
公式サイトhttp://yoshizakiseiji.com/

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