建物・土地活用ガイド

松建設不動産市況レポート

2021/09/03

2021年8月 高松建設不動産市況レポート

米国では、22年年初から利上げの可能性が高まってきています。経済回復が進み、インフレ基調が明確になってきたため予定よりもかなり前倒しで行われる様相です。一方の日本は、ワクチン接種が進んでいますが、まだ経済回復という状況にありません。日本においては、しばらく低金利が続く見込みです。

TOPICS@ コロナ禍の人口移動の特徴

のグラフは、転出者数から転入者を差し引いた転入超過数の長期推移です。これを見ると、2020年の東京23区(東京特別区部)の転入超過数が大きく減少しているのが分かります。それまでは、東京圏への一極集中が進んでおり、東京23区だけでも約6万人の転入超過が続いていました。しかし、新型コロナウィルス感染拡大防止のため移動が制限され、更に、テレワークの浸透したことも影響しています。一方で、大阪市は2020年は過去最大の転入超過数で、外国人を含む集計では、大阪市が東京23区を上回り、市町村別で全国最多となりました。名古屋市は、前年よりも若干減少しましたが、過去5年間で2番目に多い数でした。

上の表は、転入前の所在地別で転入者数を算出し、更に、そもそもの母数が異なるため、各都道府県別の人口(令和2年1月時点)千人のうち何人がそれぞれの都市に行ったかの割合を示した「人口千対転入者数」で降順に並べたものです(※該当都市の都府県からの移動は含まれていません)。これを見ると、同じ地方区分からの移動が多いのが分かります。その傾向は例年あまり変わらないことですが、東京23区へのランキングで前年9位だった沖縄県が2020年は12位に落ちるなど、都市部への移動も数だけでなく内容にも若干変化があったようです。


TOPICSA 2021年路線価は新型コロナウィルスの影響で全国的に下落

路線価は、地域の路線に面する宅地の1m²当たりの評価額のことをいい、この度発表された路線価は、2021年1月1日以降に発生した相続税や贈与税を計算する基準となるものです。都道府県庁所在地の最高路線価をみると、上昇したのは8都市のみで、前年が38都市だったことから比べる大幅に上昇エリアが減少しています。また、下落したのは、前年の1都市から22都市に増えており、全国的に新型コロナウイルス感染症の影響がでています。 特に、2年連続で1位だった沖縄県那覇市の最高地点が2021年は28位に、昨年2位だった大阪市の最高地点が45位に転落するなど、インバウンドでにぎわっていた観光地や繁華街は一転して大きなマイナスとなっています。

路線価は、近年上昇傾向にありましたが、2020年は減少、もしくは鈍化しています。次に、最高路線価の推移と実際に東京国税局管内で、各年で申告された土地に対する相続財産の推移を比較してみました。ちなみに、相続財産の実績は、前年の状況が毎年12月頃発表されるため、最新は2019年となります。2006年から2019年までの2つの推移の相関係数を算出すると0.78とかなり高い相関があります。両者とも土地の価格に関する数値なので、関連性が高いのは当然ではありますが、このようにダイレクトに数値として表れています。


定点観測データ

吉崎 誠二 Yoshizaki Seiji

不動産エコノミスト、社団法人 住宅・不動産総合研究所 理事長
早稲田大学大学院ファイナンス研究科修了。立教大学大学院 博士前期課程修了。
(株)船井総合研究所上席コンサルタント、Real Estate ビジネスチーム責任者、基礎研究チーム責任者、(株)ディーサイン取締役 不動産研究所所長 を経て現職。不動産・住宅分野におけるデータ分析、市場予測、企業向けコンサルテーションなどを行うかたわら、テレビ、ラジオのレギュラー番組に出演、また全国新聞社をはじめ主要メディアでの招聘講演は毎年年間30本を超える。
著書
「不動産サイクル理論で読み解く 不動産投資のプロフェッショナル戦術」(日本実業出版社」、「大激変 2020年の住宅・不動産市場」(朝日新聞出版)「消費マンションを買う人、資産マンションを選べる人」(青春新書)等11冊。多数の媒体に連載を持つ。
レギュラー出演
ラジオNIKKEI:「吉崎誠二のウォームアップ 840」「吉崎誠二・坂本慎太郎の至高のポートフォリオ」
テレビ番組:BS11や日経CNBCなどの多数の番組に出演
公式サイトhttp://yoshizakiseiji.com/

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