建物・土地活用ガイド

2021/06/28

賃貸物件の人気・不人気を隔てる差とは

土地オーナーにとって、もっとも一般的な有効活用法は賃貸住宅(マンション・アパートなど)のオーナーになって賃貸住宅経営を行うことです。
しかし、ハイレベルなデザインの建物を建てれば入居者が自然と集まり、賃貸住宅経営が安泰だという考えは通用しません。賃貸経営を始める前に綿密に様々な戦略を練ることが非常に重要です。賃貸住宅経営を成功させるのに不可欠となる、空室のでにくい物件の秘訣について考察します。

人口密度が高い都市圏でも目立つ空室物件

マンションやアパートなどの賃貸住宅経営においてもっとも重要なことは空室を減らすことです。賃貸住宅経営は入居者からの家賃収入によって成り立っていますので、当然ながら入居者が減れば収入は減ります。新築賃貸住宅で、賃貸住宅需要が見込めるエリアでは充分期待できるかもしれませんが、築年数が経ち、物件の老朽化が進んだり、設備が古くなったりすると、空室確率が上がる可能性は十分にあります。また、人口が密集して多くの賃貸住宅需要が見込める都市部では、賃貸住宅件数も多く、つまりライバル物件も多くなります。つまり、賃貸経営を開始した後に「まだ築浅だから入居希望者は簡単に集まるだろう」と思っていると、例えば周囲に魅力的な物件が新たに建った場合などに一時的に空室確率があがります。

賃貸経営に不可欠な綿密な戦略

いうまでもなく、長期にわたり賃貸住宅経営を続けるうえでは、常に空室が発生するリスクがあります。そのため、常に入居希望者の目に留まるように、緻密な戦略を練る必要があるでしょう。賃貸物件においては駅から近く、築年数が浅い物件が人気を集めます。しかし、駅から近いかは所有する土地の立地次第であり、建物は必ず古くなり老朽化します。

たとえ、古くなったとしてもリフォームするなどして入居者に選んでもらえる要素を物件に加えればいいでしょう。たとえば、防音設備を整備したり、ペット可の物件にしたりするなどの方法があります。防音がしっかりしていれば楽器をやっている方から、ペット可であれば動物好きな方からの応募が集まるでしょう。「駅から近い、建物が新しい、価格が安い」の要素で勝負できないことが想定される場合は、物件に個性を加えるなど選んでもらえるための戦略をきちんと練り、老朽化した際はリフォームやリノベーションを検討するといいでしょう。

押さえておきたい人気賃貸物件の条件

物件に個性を持たせることは大切ですが、防音設備やペット可などは費用面からハードルが高いとお考えの方もいるでしょう。では、多くの物件で実装可能で、入居者の人気が高い設備はどんな特徴があるのでしょうか。いくつかの賃貸住宅入居者への「欲しい設備」アンケート調査を俯瞰すると、どれも同じような回答になっています。こうした設備があれば「たとえ高くても住みたい」と思ってもらえるでしょう。

まずは、インターネットがすぐに使えるのは今や当たり前です。また、セキュリティに関する設備も必須といえるでしょう。また、水廻り設備のレベルが高いのも魅力的といえます。こうしてみると、暮らしに直結する設備を充実させることが物件の人気を高める秘訣と言えるかもしれません。マンションやアパートなどの賃貸経営は土地活用において人気がありますが、その反面、常に周囲には競合となる物件があることも肝に銘じておきましょう。入居者視点で考えられていない物件は、空室が増えて不人気物件となってしまう恐れがありますので注意しましょう。

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