建物・土地活用ガイド

2024/05/09

賃貸併用社宅と社宅の未使用部分のサブリース契約について

中堅企業以上の多くの企業では、社員に対する福利厚生の一環として、何らかの形での社宅を提供している例は多く見られます。人手不足があらゆる業界で広がり採用の難易度が高まっていく中で、優秀な人材の採用に寄与するためにも社宅の見直しが進んでいます。また、特に地方企業などでは、優秀な社員確保のために、社宅は重要となっています。今回は、社宅建築の最新事情についてお伝えします。

意外に難しい社宅用地の確保

社宅を保有する企業が、再びジワジワと増えています。これから新たに社宅保有を試みる会社、あるいはかつて保有していた社宅を手放した企業などでは、従来のいわゆる若手社員用の寮、あるいは転勤者用(単身・ファミリー)住宅というものではなく、社宅を単なる「コストのかかる福利厚生施設だけ」ではなく、「別の用途・目的」を加味した存在の建物を計画する例が多いようです。

社宅の新築計画では、老朽化に伴う従前の社宅の建替えが最も多いですが、他にも企業保有地の用途転換(使わなくなった土地の有効活用)などもあります。このような場合、社宅用地探しは不要となりますが、新たに土地を取得してからの社宅建築では、かなり適地探しが難航する場合も見られます。社宅用地はある程度の広さの敷地が必要ですが、社宅ということで住宅地エリアが望ましいとなれば、なかなかいい土地に出会うのは難しくなります。

また「土地を購入する」がベストだと思いますが、「土地を借りる」という選択肢も検討してもいいでしょう。

いずれにせよ、土地情報が要となることは間違いありません。松建設の営業スタイルは地主など土地保有する方々(個人・法人)に対して直接、土地の活用や売却、借地の提案を行っており、またエリア専属の担当者がその地域を定期的に訪問しているため、ダイレクトに土地情報が入ってくるということです。そのため、例えば社宅用地についても事前に希望を伝えておけばピンポイントな土地情報が出てくることがあるようです。

しかし、ご存知の通り昨今、全国的に土地価格はかなり上昇しており、とくに集合住宅を建築するのに適した土地は、相場以上の価格で取引されています。そのため「単なる福利厚生施設ではない社宅」が求められているのでしょう。

賃貸併用社宅で社宅建築費用の一部資金に

地価上昇、建築工事費上昇が続いています。24年最新の地価公示では、大都市部だけでなく多くの地方都市でも地価上昇が顕著となっており、まだしばらく続きそうです。このような状況の中で、コストのかかる社宅の確保において、社宅と賃貸用住宅を併用した「賃貸併用社宅」が増えています。社宅で使わない部分を賃貸住宅として貸すことでその部分は収益不動産となり、賃料収入を土地取得費用・建築費用に充当することができるというわけです。

松建設では、社宅として使わない部分を賃貸住宅として貸し出す際に、高松コンストラクショングループの企業(高松エステート)がその部分を一括借り上げすることも提案しております。一括借り上げの仕組み(サブリース契約)を利用することで、安定した賃料がオーナーである企業に入ってくることになり、社宅建築費用の充当が「読みやすい」状況になります。(注:サブリース契約には各種条件があります。また、サブリース契約は一定期間での見直しの可能性があります。詳細は、担当者にお尋ねください。)

サブリース契約は土地活用で賃貸住宅を建築した際などに、1棟全て賃貸住宅の時には多く見られるスキームです。社宅で使わない部分のみのサブリース契約は、まだそれほど浸透しているスキームではありませんが、オーナー企業にとっては一考に値するスキームだと思います。

社宅と未就学児用施設

社宅との併用事業は賃貸住宅だけでなく、保育所や託児所などの未就学児用施設との併用事例もあります。
最近は市区町村の単位での需給バランスは落ち着きを見せてきた同施設ですが、まだまだ「身近な場所に子供を預ける施設がない」という悩みは多いようです。このような背景から、社宅建物の一部に託児所・保育所などの施設を併設する例も増えています。この場合、保育所・託児所などを運営する企業からの賃料収入を得ることになります。

社宅所有企業の従業員世帯が利用することや、地域の子どもたちが利用することもでき、社内外へ貢献度が高く、企業イメージのUPにもつながります。保育所・託児所を運営する企業とのマッチングが必要となりますが、松建設では、運営会社の誘致のサポートも合わせて行っています。

社宅の悩みは、建築と土地情報の専門企業へ

企業における社宅の悩みは、老朽化対応が最も多いと思います。しかし、それ以外にも工場や倉庫など多くの従業員が出入りする敷地内への建築可否、新規土地取得、前述の収益事業との併用など、専門性の高いことが多くなります。

社宅の建築においては、社宅建築だけでなく、社宅の利用法、そして土地情報を持っている企業をパートナー企業としたいものです。

松建設では不動産売買を含むCRE戦略のご相談も承っています!
事業承継や事業転換によるビル・賃貸マンションの実績も多数ございます。
仮移転先から建築用地のお困りごと、賃貸と自社の事務所を併用した収益ビルへの建替え、工場・倉庫の建築など、あらゆる土地・建物のご相談をお伺いします。
「実績が見たい」など、ぜひ気軽にお問い合わせください。
ご相談フォーム  : https://www.takamatsu-const.co.jp/contact/
お電話でのご相談 : 0120-53-8101(フリーダイヤル)

吉崎 誠二 Yoshizaki Seiji

不動産エコノミスト、社団法人 住宅・不動産総合研究所 理事長
早稲田大学大学院ファイナンス研究科修了。立教大学大学院 博士前期課程修了。
(株)船井総合研究所上席コンサルタント、Real Estate ビジネスチーム責任者、基礎研究チーム責任者、(株)ディーサイン取締役 不動産研究所所長 を経て現職。不動産・住宅分野におけるデータ分析、市場予測、企業向けコンサルテーションなどを行うかたわら、テレビ、ラジオのレギュラー番組に出演、また全国新聞社をはじめ主要メディアでの招聘講演は毎年年間30本を超える。
著書
「不動産サイクル理論で読み解く 不動産投資のプロフェッショナル戦術」(日本実業出版社」、「大激変 2020年の住宅・不動産市場」(朝日新聞出版)「消費マンションを買う人、資産マンションを選べる人」(青春新書)等11冊。多数の媒体に連載を持つ。
レギュラー出演
ラジオNIKKEI:「吉崎誠二のウォームアップ 840」「吉崎誠二・坂本慎太郎の至高のポートフォリオ」
テレビ番組:BS11や日経CNBCなどの多数の番組に出演
公式サイトhttp://yoshizakiseiji.com/

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