建物・土地活用ガイド

2024/04/24

郊外でも上手くいく!コンセプトを強く打ち出した賃貸マンション経営とは

「どんな住まいで暮らしたいか」は住まう人の好みが色濃く出ます。例えば、賃貸住宅に暮らす方々は若年層や単身の方、共働き夫婦などが多く、こうした方々にとって「住まい」は、ホテルのような位置付けと考える方も多く、職場への利便性、周辺の利便性等が重要視されます。その一方で、自宅での時間を「最も有意義な時間にしたい」と考え、自宅を「自分の好きなこと(例えば趣味)に打ち込める場所にしたい」と考える方もいます。また、コロナ禍以降は、週に何日か在宅勤務をする方も多く、賃貸住宅はただ単に「寝る場所」ではなく「一日の多くの時間を過ごす場所」に変わってきました。
 このようなライフスタイルの方にとって都市部にある一般的な賃貸住宅は「もの足りない」と思える方も多いのではないでしょうか。
 とくに「好きな事を思いっきり楽しんで暮らしたい」「同じような趣味の方々が集まる場所に住みたい」と考える方にとっては、コンセプトを強く打ち出したマンションを求める傾向にあるようです。
今回はコンセプト訴求型賃貸住宅について解説します。

多様化する賃貸住宅

2000年以降、賃貸住宅に住む方が増えてきました。かつて賃貸住宅のメイン需要層は、若年層や新婚カップルでした。朝から夜まで学校や職場で過ごし、賃貸住宅で過ごす時間は主に夜〜早朝、ホテルの滞在時間のような使われ方をしていました。
しかし、未婚化、晩婚化が進み若年層以外も賃貸住宅に住む方が増えたこと、また住宅ローンを抱えたくない等の理由から積極的賃貸派のファミリー世帯も増えており、賃貸住宅の利用のされ方に変化が起こりました。
このような傾向の中で、賃貸住宅も多様化が進んできました。賃貸住宅は広さや間取りにより、主に単身世帯向け、カップル向け、ファミリー向けに分かれますが、いずれもコンセプトを強く打ち出したマンションが見られるようになってきました。

どんなコンセプト賃貸マンションがあるのか

コンセプトマンションといえば、防音設備の部屋のある「音楽を楽しむ」マンション、ペット共生できるマンション、あるいはアウトドア感のあるマンション、車を楽しむ「ガレージ一体ルーム」があるマンションなどがメディアなどでも多く取り上げられていますが、最近ではリモートワークの伸展からワークスペース充実マンション、子育てしやすいマンションなど、バリュエーションが増えています。

郊外でも需要が見込めるコンセプト型賃貸マンション

このようなコンセプトを強く打ち出した賃貸マンションは、交通利便性のよい立地でなくても需要が見込まれます。ライフスタイルにこだわりを持つ方の中には、都市部の一般的な賃貸マンションには魅力を感じず、また都市での暮らしに魅力を感じない方(世帯)が一定数おられ、郊外の立地でもこうしたニーズを取り込んだ賃貸マンションを建築すれば、賃貸住宅経営もスムーズに行えます。

松建設のコンセプトマンション2事例

本来、中央銀行による利上げは、「金利を上げる」ことで「需要を抑える」ようにしむけ、「物価の安定を図る」という政策です。高松建設でも、このようなコンセプトを強く打ち出した賃貸マンション建築に力を入れています。ここでは、2つの事例を紹介しましょう。
ペット共生マンションでは、共用部にペット専用の足洗い場を設置、またペットと一緒の時に「ペットサイン」を表示できるエレベーターを設置、また専有部ではペットの安全性を考慮した玄関まわり、ペットのプライベートスペース、外に出られない時にもペットに優しいインナーテラス、など様々な「ペットと暮らす工夫」をしたマンション建築を行っています。

また、リモートワークが多い世帯でも、スムーズに生活ができる工夫をしたマンションもあります。単身用ではワンルームでもオンとオフが切り替えられるように工夫された部屋、カップル向けでは比較的広い寝室にワークスペースのある部屋、ファミリー向けでは夫婦が子供に目を配りながら共に仕事や家事ができる部屋などを提案しています。

最後に

土地活用(遊休地活用)を考えている個人(地主)の方や企業の方のなかで、それほど交通利便性の良くない土地をお持ちの方は、このようなコンセプト訴求型のマンションを検討してみるといいでしょう。

吉崎 誠二 Yoshizaki Seiji

不動産エコノミスト、社団法人 住宅・不動産総合研究所 理事長
早稲田大学大学院ファイナンス研究科修了。立教大学大学院 博士前期課程修了。
(株)船井総合研究所上席コンサルタント、Real Estate ビジネスチーム責任者、基礎研究チーム責任者、(株)ディーサイン取締役 不動産研究所所長 を経て現職。不動産・住宅分野におけるデータ分析、市場予測、企業向けコンサルテーションなどを行うかたわら、テレビ、ラジオのレギュラー番組に出演、また全国新聞社をはじめ主要メディアでの招聘講演は毎年年間30本を超える。
著書
「不動産サイクル理論で読み解く 不動産投資のプロフェッショナル戦術」(日本実業出版社」、「大激変 2020年の住宅・不動産市場」(朝日新聞出版)「消費マンションを買う人、資産マンションを選べる人」(青春新書)等11冊。多数の媒体に連載を持つ。
レギュラー出演
ラジオNIKKEI:「吉崎誠二のウォームアップ 840」「吉崎誠二・坂本慎太郎の至高のポートフォリオ」
テレビ番組:BS11や日経CNBCなどの多数の番組に出演
公式サイトhttp://yoshizakiseiji.com/

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