建物・土地活用ガイド

2023/11/28

土地活用としての物流施設建築。物流施設需要は今後伸びるのか?

物流施設の種別とその特徴、そして土地活用(建築投資)としての物流施設建築について解説します。

所有形態から見た物流施設の種別

企業が商流に利用する物流施設では、自社で保有し自社で利用するパターン(自家用倉庫)と、自社では保有せず賃貸の物流倉庫(営業倉庫)を借りるパターンがあります。これは企業がオフィスビルを保有するか賃貸するのかと同じです。
賃貸の物流施設には、マルチテナントタイプとシングルテナントタイプがあります。マルチテナント型は1つの物流倉庫を複数の企業が利用するタイプ。シングルテナントは、1つの物流倉庫全てを1社が契約するタイプで、広いスペースを要する企業が自社で使いやすい仕様にアレンジして利用することが多いようです。

物流施設は飽和しているのか?

シービーアールイー(株)が10月31日に発表した「2023年第3四半期の物流施設市場動向」によれば首都圏における大型マルチテナント型物流施設の空室率は8.9%で、前期比0.7ポイントの上昇となりました。今期の新規供給は10棟、23万4,000坪、新規需要は、昨年の四半期平均を上回る17万1,000坪。1坪当たりの実質賃料は、4,520円(+0.2%)と上昇しました。
また、近畿圏における大型マルチテナント型物流施設の空室率は4.5%で前期比1.3ポイント上昇となりました。新規供給は3棟で、いずれも空室を残しての竣工となりましたが、中心部で今後竣工予定の物件はおおむね良好とのことです。実質賃料は4,110円(前期比0.2%のマイナス)となりました。しかし、空室が少ない地域では、賃料は上昇傾向にあるようです。

2018年頃の賃貸用物流施設の空室率は2%前後で推移しており、「借りようと思っても、すぐに借りられない」「将来を見越して、先に借りておく」というような水準でした。その後、コロナ禍を経て物流施設のニーズは高まり続けており、物流施設の需要は伸びているものの首都圏ではそれを上回る供給量があったため、現在のように8%を超える空室率になっています。
物流施設の需要は今後も伸びることは確実と思われますが、「供給量とのバランスはどうか」が焦点になってくるものと思われます。

物流施設の需要は今後も伸びるのか?

前述のように空室率が高くなっていますが、「物流施設の需要は今後も伸びることが確実」なのはなぜでしょうか。
JREIT銘柄であるCREロジスティクスファンド投資法人のIR資料や決算説明資料によれば、今後の物流施設需要は次のような理由で伸びると解説しています。

1)コンビニやドラッグストア市場規模拡大に伴い、保管機能の拡充と1日に複数回の小口配送が必要となっている。
2)インターネット通販(EC)が隆盛となり、宅配便の取扱個数が増加
3)既存物流施設の老朽化 に伴い、今後の物流施設の入れ替えが起こる可能性
4)3PL※市場規模の拡大、つまり各企業が物流業務を包括的に外部に委託する動きが加速化し、3PL業務市場が拡大する見通し


※3PL(Third Party Logistics)は荷主企業・小売企業以外の第三者が物流の業務を請け負うこと

以上のようなことから、物流施設需要は伸びる可能性が高いとみていいでしょう。

土地活用としての物流施設賃貸

個人所有・法人所有とも遊休地の活用(=土地活用)といえば、賃貸用住宅のイメージが強いと思います。賃貸住宅は周辺に一定の世帯数があればそれほど場所を選ばない賃貸経営です。一方、都市部でも電車やバス便が不便な場所などでは、賃貸住宅需要はあるけれど競争力が劣る可能性もあります。都市郊外の地域などで車の便はいいけれど、住宅や商業施設は難しい土地もあるでしょう。こうした地域での土地活用の候補の1つとして物流施設の建築を検討してみてもいいかもしれません。
ただ、賃貸用物流施設(営業倉庫)は、用途地域に制限がありますので、詳しくは高松建設などの建築の専門企業に相談してみるといいでしょう。

松建設の事例

松建設では、自社保有物流施設(倉庫・配送センターなど)の建築、借地での物流施設の建築、事業用地の紹介など、土地活用から事業用の倉庫建築まで様々な物流施設の建築実績があります。
「この立地の土地活用は難しいかな」という遊休地の活用にお悩みの個人・法人土地オーナーの方は、気軽に相談してみてはいかがでしょうか。

松建設は倉庫・物流施設の建築・建替え実績も豊富です!

事務所+倉庫物流施設工場+倉庫工場+事務所/本社などさまざまな建築事例がございます。
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BCP対策での事務所・倉庫施設建設や仮移転先から建築用地のお困りごと、賃貸と自社の事務所を併用した収益施設への建替え、工場から住宅建築まで、あらゆる土地・建物のご相談をお伺いします。
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吉崎 誠二 Yoshizaki Seiji

不動産エコノミスト、社団法人 住宅・不動産総合研究所 理事長
早稲田大学大学院ファイナンス研究科修了。立教大学大学院 博士前期課程修了。
(株)船井総合研究所上席コンサルタント、Real Estate ビジネスチーム責任者、基礎研究チーム責任者、(株)ディーサイン取締役 不動産研究所所長 を経て現職。不動産・住宅分野におけるデータ分析、市場予測、企業向けコンサルテーションなどを行うかたわら、テレビ、ラジオのレギュラー番組に出演、また全国新聞社をはじめ主要メディアでの招聘講演は毎年年間30本を超える。
著書
「不動産サイクル理論で読み解く 不動産投資のプロフェッショナル戦術」(日本実業出版社」、「大激変 2020年の住宅・不動産市場」(朝日新聞出版)「消費マンションを買う人、資産マンションを選べる人」(青春新書)等11冊。多数の媒体に連載を持つ。
レギュラー出演
ラジオNIKKEI:「吉崎誠二のウォームアップ 840」「吉崎誠二・坂本慎太郎の至高のポートフォリオ」
テレビ番組:BS11や日経CNBCなどの多数の番組に出演
公式サイトhttp://yoshizakiseiji.com/

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