• 工事担当エピソード

工場稼働のなか、お客様とともに進めた改修工事

工場が稼働中に、改修工事を行う。
言葉にすると簡単なようですが、実際には煩雑な業務が増え、現場の仕事の難易度は高まります。
通常の工事よりも複雑な案件を、私は初めて所長として担当することになりました。

とある金属を扱う工場の改修工事の現場において、私は機械式駐車場と鉄骨庇の施工に携わりました。
お客様が経営する工場の稼働中に改修工事を行うという難しい条件での工事でしたが、私は自身の培った知識と経験を活かし、絶対に完成に導こうと意気込んでおりました。
まずは計画から始めようと、工事を間近でご覧になるお客様に、2週間分の工程表を毎週金曜日に提出することに決めます。並びに、自身で考えた計画を実行するにあたり、工程表をもとに毎回お客様と協議しました。

お客様の工場の品物の搬入予定を考慮し、前もって工程表を作成することで、工場稼働の妨げにならぬようにしたのです。
こちらの工事内容を、お客様に了解していただく手順を踏んでから、次に計画を実行に移していきました。お客様に見守られるなか、現場は既存躯体の解体から始まり、施工手順を遵守し、どんどん進んでいきました。
ただし、工程が進んでいくにつれ、いくら綿密な打ち合わせをしていても、さまざまな問題が露見していきます。私はその都度対応策を考え、お客様と協議したうえで、製作金物・塗装の色のサンプルをお見せするなどして、竣工後のイメージを共有しました。
お客様に建物の完成した姿を思い描いていただき、それに適した材料を選んで施工に用いるように努めたのです。

こうした取り組みを続ける一方で、機械式駐車場の鉄骨建方・庇の鉄骨建方に関しては、工場の休業日を狙い、ピンポイントで施工できるよう調整していきました。
竣工が近づいてくる頃には、最終の確認・美装を確実に行い、全体的な見栄えにもこだわりました。
そして、この工事の間、初めての現場所長として奮闘する私の隣には、常にお客様の姿がありました。
引き渡し当日、お客様は改修を終えた機械式駐車場をご覧になり、しみじみと語られました。

「担当があなたで本当に良かった。一緒に建物を建てているみたいで、一生の思い出になりました。またこれからも弊社の物件をよろしくお願いいたします」

2カ月あまりの工事中、不自由な思いもされたお客様から温かいお言葉をいただき、私はとても感激しました。
この案件では、工事に対する制約がマイナスとはならず、かえってお客様と私との距離を近づけてくれました。
お互い密に連絡を取り、現場へも足を運んでいただいたことで、お客様も当事者として改修工事を楽しんでくださったように思います。
これからも私は、お客様の目線で「一緒に建物を建築していく」という意識を持ち、施工に携わっていきます。