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不動産の基礎知識

2018/07/16

消費税増税を視野に入れた建物建築の時期

現在、建物の建築を検討されている方にとって、もっとも気になるのは消費税増税ではないでしょうか。建物の規模などにもよりますが、最低でも数千万円、場合によっては億単位、数十億単位のお金が動くだけに、消費税増税の影響で支払総額が大幅に増えることが予想されます。そのため、増税の実施を見越して急いで契約する方がお得に思われますが、実際のところはどうなのでしょうか?消費税増税を見据えた建物建築の時期について、さまざまな角度から検証します。

19年10月施行の消費税増税で支払額はこれだけ増える

2017年4月に予定されていたものの、景気の先行き感が不透明だとして2019年10月へと2年半の見送りが決定された消費税増税。ただ、さらなる先送りは2018年7月現在で検討されておらず、大きな問題がなければ8%から10%へと引き上げられる予定です。増税が実施されれば、マンション、ビルのように多額の建築費がかかる建物ほどその影響を大きく受けます。

たとえば、建物の価格※が1億円の場合、消費税が10%に増税した後の税込価格は1億1,000万円になります。8%の場合(1億800万円)と比較して200万円もの増税になります。さらにこれが5億円の建物だとすると、税込価格は5億5,000万円です。単純計算で8%の場合(5億4,000万円)よりも1,000万円の増税となります。

このように、たった2%の増税だとしてもその影響は決して小さくありません。そのため、「建物建築をするなら増税前に」という動きが出ても当然です。ただし、どのタイミングで契約すれば増税の影響を受けずに済むかは非常に微妙なところ。なぜなら建物の場合、契約から完成・引き渡しまで少なくとも数ヶ月から1年以上かかるからです。また、駆け込み需要により契約から着工、工事完了まで通常より時間がかかることも十分考えられます。

※土地建物のうち、土地は消費財でないため消費税がかかりません。


請負契約における「経過措置」の考え方

前述のように建物の場合、一般には相談から打ち合わせ、設計、建築請負契約まで数ヶ月、さらに着工から完成・引き渡しまでさらに多くの時間がかかります。そうなると、今から計画を実行に移したとしても、2019年10月の施行までに完成に至らないケースもあるでしょう。そうなれば、増税分の2%が重くのしかかることになりかねません。

国ではこうした点を考慮して、「1.2019年9月30日までに引き渡しが完了した場合」または「2.2019年3月末日までに契約を締結した場合」に、現行と同様に税率8%が適用されるという「経過措置」の適用を打ち出しています。経過措置とは消費税の税率が引上げられる前の所定の時期までに工事請負契約をし、消費税率の引上げ後に引渡しを受ける場合には、引上げ前の消費税率の適用が認められる措置のことです。

経過措置を適用すれば、仮に1の条件を満たせなくても、2019年3月末日まで契約を済ませておけば完成・引き渡しが10月を過ぎても増税となりません。したがって、2019年3月中に契約を締結できるようにするためには、少なくとも半年前の2018年10月から計画を実行に移すことが望まれます。ただし、増税前の駆け込み需要で、どの業者も繁忙を極めることが予想されるので、できれば余裕をもって2018年の夏前には建築プランの方向性を固めておくことをおすすめします。


増税だけにとらわれず事業計画に基づいた建築を

増税で出費が増えることだけを考えると、確かに経過措置を適用して契約を早めに済ませておいたほうがよいと言えるでしょう。ただし、結論を急ぎ過ぎるのも禁物です。なぜなら、駆け込み需要で建築費が一気に高騰する可能性もあるからです。モノの価格は需給のバランスの上に成り立っており、それは建物においても同様だと言えます。建築ラッシュになれば建物価格が上昇するのは必然です。

反対に増税後は、むしろ駆け込み需要の反動が強く出て建物価格や工事費が下落することも十分あり得ます。そうなると、増税前の契約が必ずしも金銭面でお得とは限らないかもしれません。増税は間違いなく建築を検討するうえでのターニングポイントにはなるかもしれませんが、建物建築はそれだけで判断すべきではないでしょう。

駆け込み需要の際の価格変動などを含めて、増税前後の建物建築については冷静に今後の動向を見つめる必要があります。そのため、契約のタイミングに関しては専門家に相談しつつ、自社の事業計画に基づいて慎重に行うことがベストです。建物建築のメリット・デメリットを丁寧に説明してくれて、さらに親身に相談に乗ってくれる専門家の存在は非常に貴重であり、今後数十年にわたり使用する建物を造るうえで力になってくれるでしょう。


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