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倉庫・物流・工場の近未来

2018/01/15

スマートファクトリーに求められるセキュリティ体制

近年、工場や物流センターのスマート化が目まぐるしい勢いで進んでいます。その背景にあるのが、IoTやAIなどに代表されるテクノロジーの進歩。工場などにもこうしたテクノロジーを取り入れることで、今まで以上の生産性確保や効率化が期待できるようになりました。しかし、通信技術の発達に比べると、建物構造はまだまだ発展の余地があり、セキュリティ面に不安を残します。今回はIoT化の時代における工場などのセキュリティ対策に焦点を当ててみました。

IoTによる第四次産業革命の時代へ

生産の自動化を促すことで企業を著しく発展させた第三次産業革命の時代は過ぎ、人々の生活にインターネットが定着し、もはや普遍のものとなりつつある現代。世界は第四次産業革命の時代を迎えつつあります。もともとは「Industry 4.0」というドイツの国策から始まり、各国に広まっていったこの第四次産業革命のなかで鍵を握るとされるのが、製品や生産機器をインターネットでつなぐ「IoT」です。

IoTとは「Internet of Things」の略称であり、「モノのインターネット」を意味します。現在、インターネットというと、PCやスマートフォン、タブレットなどの情報機器端末をイメージされる方が多いでしょう。しかし、IoTはそうした既成概念を覆しました。ありとあらゆるものをインターネットにつなげて管理することを目指した技術であり、ネットワークへの接続でリアルタイムの制御、計測、データ収集などを実現することが期待されています。

たとえば、工場や物流センター内にある機器をIoT技術で管理することになれば、これまでケーブルで物理的に結んでいた製造機器を無線によって動かすことも可能です。リアルタイムですべての機器の調子を確認できるため、効率的な稼働の実現も夢ではありません。また、人力で管理・計測していたセクションにIoTを導入することで、人件費がカットできます。工場をIoT化することによって手間と費用の両面を削減でき、企業に大きな利益をもたらすことが期待されます。


機械・機器の進歩に合わせるべき建物のセキュリティ

あらゆる機械とインターネットをつなげることで稼働状況を詳細に把握・蓄積し、効率的な稼働を実現する工場のことを近年では「スマートファクトリー」と呼びますが、その実現を目指すにはさまざまな整備が必要になります。もちろん、それは機械・機器だけではありません。スマートファクトリーを構築する際に課題となりうるのがセキュリティ対策であり、IoT対応であることを前提として建物を設計・建築することが求められます。

近年、情報通信網の進歩に伴って、情報流出やウイルスによるサイバー攻撃などの犯罪の危険性も高まっています。仮に建物内の監視体制において対策を何も講じていなかった場合、トラブル発生によって巨額の損失を被る可能性は否定できません。「最新のOS利用を徹底する」「情報の管理体制を強化する」などのリスクマネジメントはIoT化を目指す企業に課せられた至上命題と言えるでしょう。

また、機密事項や生産システムがサイバー攻撃の対象とならないように監視体制を徹底することも必要です。サーバールームが人の動きや行動を監視でき、内部からの持ち出しや部外者の侵入防止などに関するセキュリティ設定を強化した建物構造にすることをおすすめします。そうすることで建物内で通信状況を絶えず監視することができ、トラブル発生の防止につながります。建物に関しても情報通信の時代に適したセキュリティ基準を整えることが急務と言えるでしょう。


BCPの段階から求められるセキュリティ対策

近年、企業がサイバー攻撃を受けるケースは頻繁に発生していますが、万が一自社が被害を受けた場合、「想定外だった」という言い訳は通用しません。IoT化により工場などの生産部門もインターネットと密接に触れあう以上は、あらかじめ万全のセキュリティ対策を構築する必要があります。

セキュリティ対策は企業経営にも密接に関与してくる重要事項であるため、特定の部門のみで取り決められるものではありません。企業の経営責任者は、システムに疎いからといって、システム部門に任せきりだと後に大きな代償を支払う危険性があります。そのため、企業全体でインターネットセキュリティについて検討を重ね、BCP (事業継続計画)作成時にしっかりと盛り込む必要があります。

工場や物流センターではIoT化が進み、人件費をかけない効率的な生産体制が浸透しつつあります。そうした時代の波に乗り遅れないためには、建物や設備の強化が欠かせません。最新のトレンドをしっかり取り入れ、なおかつセキュリティ面でも盤石を保つことが現在の企業には求められています。


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