建物・土地活用ガイド

こだわりの建物建築

2018/01/04

賃貸物件における“エイジングケア”の取り組み

どんなに立派できれいな建物だとしても経年による老朽化は避けられず、適切なケアを行うべきときが必ず訪れます。そのため、「まだ建物を建てたばかり」「特に傷んでいる箇所は見当たらない」という段階からこまめに建物の状態を把握しておくことが大切です。特に賃貸物件においては、建物の老朽化が即、空室率の増加につながるだけに、抗う術として建物にも“エイジングケア”を取り入れてみましょう。

人間と同様に老朽化する賃貸物件

人間は年を取ると見た目や健康面の衰えが顕著になります。美意識の高い方であれば、少しでも若々しさを持続させるためにスキンケアであったり、健康法を取り入れたりするなど美容や健康に気を配ることでしょう。年を取ることには抗えないため、年齢を重ねた際にどんなケアを行うか、つまりエイジングケアをいかに徹底できるかが若さを保つうえでのカギとなります。実はその考えは建物においても同様です。

建物も時を刻むことで確実に劣化が見られるようになります。どんなに外観が優れた建物でも、時間の経過によって老朽化が顕著となり、外壁や屋根の傷み、カビの発生などが顕在化します。特に賃貸物件においては、適切なケアを行わずに建物の見た目と機能性が下がり続けることによって、「入居者が相次いで退去してしまう」「新しい入居契約に至らない」など“空室問題”に苛まれることも容易に想像できるでしょう。

賃貸住宅における入居希望者の視点は非常にシビアであり、安さを理由に築年数が古い建物を希望する人を除いては、基本的に老朽化が進んだ物件は敬遠されます。たとえば、RC造の賃貸マンションであれば、国税庁が定める法定耐用年数は47年と長期ではありますが、近隣に新築のマンションが建った場合に比較されて見劣りすることは必須です。老朽化に抗する建物のメンテナンスや修繕を行わなければ空室のリスクは増大するばかりでしょう。


エイジングケアを意識したメンテナンスと修繕計画

時間を経ても建物が高品質を維持できることが理想です。しかし、何も対策をせずに建物の美観や機能性を維持することはできません。そのため、人間が健康と美容に気を配るように、定期的なメンテナンスと長期的な修繕計画によって、建物の価値を長く保てるように取り組む必要性があります。たとえば、以下のように長期的な修繕・改修を行い建物の価値の維持に取り組むことで、老朽化の進行を大幅に遅らせることができるでしょう。

【長期的スパンで修繕・改修を検討すべき箇所】

修繕・改修が必要な箇所 修繕・改修を検討すべき期間
空調・換気設備 8〜12年
給水ポンプ 8〜12年
屋上防水 10〜15年
外壁塗装・タイル 10〜15年
共用廊下・階段・床 10〜15年
電灯設備 10〜15年
住設機器 15〜25年
エレベーター 25〜30年

人間のお肌のケアと同様に、もっとも基本となるエイジングケアは日々のメンテナンスです。日々、状態をチェックして異常があった際にすぐに対策に講じれば、修繕の規模が縮小できる可能性もあります。上記の長期的な修繕・改修が必要な箇所については、概ね10〜15年単位での修繕や改修が必要になります。そのため、設計時から長期的な修繕計画を立てておくことをおすすめします。


高い入居率の維持=建物価値の維持

建物は必ず老朽化するものですが、日々のメンテナンスの徹底や修繕計画に基づいた対応をすることで劣化のスピードを緩やかにできます。適切なエイジングケアによって、賃貸物件の建物価値を維持することは高い入居率を維持することにつながり、空室を少なくできれば家賃収入を保ちやすくなります。それはマンション経営をするうえでもっとも基本となる点です。

賃貸物件は、当然ながら入居者がいなければ収益をあげられません。入居者に長く安定的に暮らしてもらうには建物のエイジングケアが欠かせないでしょう。日々のメンテナンスと長期的な修繕計画の両方の視点で建物の価値を保持することは、マンションの賃貸経営をするうえで欠かせない要素です。人間が健康美を保つ際の考え方と同じで、建物も何もせずに最適な状態を長期的に保つことはできません。だからこそ賃貸物件は適切なエイジングケアが必要になります。


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