建物・土地活用ガイド

こだわりの建物建築

2017/10/30

本社を工場・支社に移転統合するメリット

大企業が全国各地にさまざまな拠点を持ち、幅広くビジネスを展開する一方で、縮小路線の移転統合を選ぶ企業もあるようです。各地に支社や工場を配置することで得られるメリットも多く存在しますが、機能を1ヶ所に集約することにも同様に利点があります。本社を工場や支社に移転統合することの意義にはどのような点があるのでしょうか。

ユニバーサルデザインの概念とは

現在、多くの大企業が本社と工場・支社の移転統合の動きを進めています。一般的に本社と工場・支社を移転統合するためには、より広大な敷地が必要になります。しかし、東京や大阪などの都市部では十分な土地を確保するのが難しく、事業の機能が経済の中心地から離れることも考慮する必要があります。そうしたデメリットが考えられるにもかかわらず、多くの企業が地方の工場・支社に本社の移転統合を進めようとしている背景には、どのような理由があるのでしょうか。

まず挙げられるメリットが業務の効率化です。本社と工場・支社間の“距離”という隔たりをなくすことにより、統合前より密なコミュニケーションを実現し、意思決定のスピードを格段に速めることができます。また、同じ建物内にいることでコミュニケーションが強化され、スタッフのモチベーションアップが期待できる点も大きな魅力と言えるでしょう。

以前は都市部から離れることで物流面などに不便を感じる場面が多々ありましたが、現在では高速道路の延伸や一般道の高架化などの整備がより進んだことによって、そうした懸念点も払拭されつつあります。移転統合によって被るデメリットよりも、メリットの方を重視できるようになったことが、多くの企業が本社と工場・支社の移転統合を行う理由となっています。


拠点機能の集約によるコスト削減

本社と工場・支社移転統合をすれば、企業の経営に大きな恩恵をもたらします。なぜなら、拠点機能を集約することにより、施設の賃料や光熱費、メンテナンス費といったランニングコストを大きく削減できるからです。機能の集約はすなわち、かかるコストの集約にもつながります。

また、移転統合によって削減できるコストはそれだけではありません。多くの企業のオフィスでは、普段誰も使っていない会議室スペースや収納スペースといった、ムダなスペースが少なからず存在しているはずです。移転統合に伴い機能が集約されることで人や物などの密度が増せば、そうしたムダなスペースを見直すチャンスにもなります。施設全体の見直しを図り、的確にムダを潰していけば、それだけで大きなコスト削減につながるでしょう。

このようなオフィスや工場などを効率的に管理していく手法を「ファシリティマネジメント」と呼びます。アメリカで生まれたこの手法の目的は、少ないコストで最大限の効果を出すこと。現在、日本でも行政改革の一環として、政府組織や自治体を中心に広がっており、企業としてさらなる成長を求めるのであれば、この手法を取り入れることは非常に有効だと言えるでしょう。


本社跡地で土地活用や事業転換も

コスト削減や業務の効率化など、さまざまなメリットがある本社と工場・支社の移転統合。一方で、移転をすれば一時的ではあるものの多額の支出が発生するだけでなく、納税変更などの手続きに稼働を割かなければならないというデメリットもあります。そのため、移転統合をするかどうかは、企業の状態を的確に見極め、決断をする必要があるでしょう。

ただ、本社機能を工場や支社に集約することは、多額の経費をかけても、それに見合う価値が確実にあります。都市部にある“本社の跡地”という貴重な不動産資源をうまく活用すれば、思い切った事業転換も可能です。たとえば、地域のランドマークとなるようなショッピングや食事を楽しめる商業施設が入ったビルを建てたり、イベントホールや貸し会議室を含むオフィスビルを建築して賃貸経営したりするなど、本社跡地の土地活用の方法はさまざまな可能性を秘めています。

CRE(Corporate Real Estate)戦略を打ち出し、企業としての選択肢を広げるという意味でも、本社の老朽化が進んだり、収益性が悪かったりする場合は、工場・支社との移転統合を1つの策として検討されることをおすすめします。


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